ソフトバンク松田宣浩内野手(37)が、今季オープン戦初アーチで「アツオ」健在を見せつけた。3回の第1打席。DeNA入江の147キロ直球を振り抜くと、打球は高々と舞い上がり左中間席の中段で弾んだ。

「2月1日からこういう当たりを数多く打つという練習をしてきた。(本塁打が)1本出ずに開幕するよりは1本出て良かった」

予感していた。「神宮(12日ヤクルト戦)で良くなかったが(雨で)1日もらったので、千葉(14日ロッテ戦)からいい感じだった」。今週からバットをかつぐ構えに戻して微調整を重ね、結果につなげた。目標の2000安打まであと272本で開幕に向かう。「今年はヒットを多く打ちたい。本塁打もいいけど、ヒットの延長が本塁打になればいい」。昨年は5年連続20本塁打以上が途切れて、13本だった。「ファンからもアツオを期待している声も聞いている。今年もアツオが出来るようにしたい」。やや音量を抑えた「アツオ」パフォーマンスを本拠地のファンに披露した。

三塁のポジションを手放すつもりはない。キャンプから栗原をはじめ、三森、リチャード、牧原大の若手がアピールしたが、オープン戦全11試合に三塁で先発したのは松田だ。工藤監督が「安打は出ていたが、本塁打が出ていなかったので良かった」と目尻を下げたように首脳陣からの信頼は揺るがないが、あぐらをかいてはいられない。「体は全然どこも痛くない」。元気にフル出場したベテランに衰えは感じられない。【浦田由紀夫】