オリックス高卒2年目の宮城大弥投手(19)の新球種「ダブルカーブ」がさえ渡った。阪神相手に6回3安打1失点。多投したのは、球速が110キロ台と90キロ台後半の2つのカーブ。直球の最速は148キロで、最遅はカーブの98キロ。緩急やベース板の奥行きを使って11三振を奪った。

「体のバランスやテンポを意識して、自分のボールを操れた。このオープン戦の中で『はっきり良かった』と言える投球だった」

オープン戦3試合に先発し、2勝0敗で防御率は1・13。中嶋監督は「見ての通りです。数字が物語っている通り、いい感じ」と太鼓判を押した。

中嶋監督の助言で新たな武器が生まれた。2軍監督時代の指揮官に指摘された。「直球とスラだけだったので『空振りを取れる率が低い』と注意されたんです。そのとき、ハッと。何も考えずに投げていたので。そこから、ファウルの取り方や空振りの奪い方を学びました」。ブルペンで先輩投手陣に聞いて回り、新球種としてフォークと2種類のカーブを学んだ。

94球のうちカーブは11球。オープン戦6本塁打の阪神ドラフト1位佐藤輝との対決でも効果抜群。2回の対戦は、148キロのクロスファイアを見せてから98キロのカーブで空振り三振。中飛に仕留めた5回の打席では初球から4球カーブを続けた。「ずっと練習していた緩急を使おうと。投球の幅が広がりました」。遅球を2つの球速帯で使うのは捕手伏見の提案で、宮城は「速い方をファウルにされたりすると、あえて遅い方を。意図を持って。捕手のサインを信じて投げました」と振り返った。

開幕2戦目の先発を任される。「去年は5回で降りることが多かった。6、7回投げてリリーフの負担を減らせたら」。高い志を胸に27日の西武戦に向かう。【真柴健】