DeNA三浦大輔監督(47)が日刊スポーツ紙上でチームや球界を語る「月刊ハマの番長」の第2回を迎えました。

「今月の一文字」は「試」。オープン戦で新しい戦術を「試し」、監督して初めて公式戦の「試合」に臨みました。開幕カードの巨人戦は1分け2敗スタートとなりましたが、30日からの本拠地開幕で気分を一新し、初勝利を目指します。

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3月頭のオープン戦では機動力を「試」しました。バントで送る時は送って、得点圏に走者を進める足を使った攻撃。外国人の入国が遅れると聞いていたので、本塁打を量産して点を入れるのは難しいと感じていました。細かい攻撃を試したかったからなんですが、やっぱりこういう攻撃も、きっちりできるようになっていかないといけません。

監督としての初「試」合の公式戦で、采配の難しさは覚悟していました。相手があることなので、思うようにいかないこと、想定と違う展開もありました。開幕巨人戦の2回無死一、二塁。3点を追う場面で、柴田が2球連続でバントをファウル。スリーバントも頭にありましたが、バスターに切り替えて何とか転がしてランナーを進めてくれました。

開幕戦の夜は眠れませんでした。興奮していた部分もあったと思うけど、悔しさで。次の日がデーゲームと分かっていたのに寝られなかった。午後10時前には布団に入っても、気づいたら0時を回っていました。普段は、おなかがいっぱいになったらすぐ眠たくなるのですが…。

開幕投手の浜口、2戦目先発の京山らはシーズン1発目の緊張感からか投球がガラッと変わってしまい、力を出せなかった選手もいました。簡単にいかないだろうとは思っていましたが、あそこまで変わるとは思っていなかった。まだ3試合終わっただけなので、対戦が1巡してどうかなというところですけどね。

普段通りの力を出せた選手もいました。田中俊太は開幕戦で6打点の大活躍。勝ちには結び付かなかったけど、いい働きをしてくれました。オープン戦では22打席目にやっとヒットが出ましたが、上り調子で開幕を迎えていました。倉本は代打でいいスタートを切れたし、関根も毎試合ヒットを打ちました。

開幕カードは2敗1分けでした。トーナメントだったら、初戦で終わっている。でもプロ野球は143試合のリーグ戦。やり返せるチャンスはあります。反省をして、悔しさを忘れず次に生かしていきたいです。

ホーム開幕戦は特別な気持ちになります。お客さんの入場制限がある中ですけど、やはり横浜スタジアムは違う。慣れ親しんだ球場。ロッカー。落ち着きます。自分の家と人の家は、リラックスしていても何か違いますよね。何とか早くひとつ勝って波に乗っていきたいと思います。(DeNA監督)

◆三浦大輔(みうら・だいすけ)1973年(昭48)12月25日、奈良県生まれ。高田商から91年ドラフト6位で大洋(現DeNA)入団。97年リーグ最高勝率、05年最優秀防御率、最多奪三振。15年にプロ野球記録に並ぶ23年連続勝利。16年引退。通算535試合、172勝184敗、防御率3・60。19年にDeNA1軍投手コーチ、20年に2軍監督を務め、今季から1軍監督。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。

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