DeNA三浦大輔監督(47)がチームや球界を語る「月刊ハマの番長」10月号。「今月の一文字」は「縁」です。ドラフト会議では1位指名した市和歌山・小園健太投手(18)ら、新しい縁が生まれました。一方で戦力外通告や引退試合も。さまざまな人間模様が交差しました。監督就任1年目のシーズンは残り2試合です。
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今月の一文字は「縁」にしました。この時期はドラフトがあり、新しい縁が生まれます。一方で、戦力外通告や引退などでチームを離れる選手もいますが、それで縁が切れることはありません。監督として初めてのドラフト会議で1位指名が抽選になり、小園投手の交渉権を獲得できたのも1つの縁です。
過去、球団で最初に指名した選手のくじで7連敗していたことは、知らなかったです。後から新聞を読んで知りました。2分の1は最も確率が高い抽選。2枚のうち、どちらかに必ず確定のくじがある状況で抽選箱の前に立つと、プレッシャーをすごく感じ、体が震えました。当たった時は正直ホッとしました。
普段は願掛けをしませんが、自分ができることを考え、当日は神社にお祈りに行きました。スカウトの方が毎日、全国各地に足を運び選手を視察してのドラフト会議という集大成。熱い気持ちを前日の会議でも感じていました。そのスカウトの方々の思いを込め右手を抽選箱に入れました。交渉権を獲得した時の控室の様子を後から映像で見て、本当に良かったと改めて思いました。小園投手は高校生でずばぬけた才能、実力を持っている投手と、スカウトの評価が一番高かったです。完成度も高く、将来が楽しみです。また大学生の2人(2位早大・徳山投手、4位法大・三浦投手)は映像で見ましたが力強いストレート、安定感、コントロールも高評価でした。
他の選手ともドラフトで、新たな出会い(縁)が生まれたので、会えるのを楽しみにしています。
先日は中井大介と武藤祐太の引退セレモニーがありました。中井は横浜に来て3年、武藤は4年ですが、すぐチームに溶け込み、野球に対する姿勢や熱い気持ちを持って試合に臨んでいて選手たちからも尊敬されていました。引退しても2人との縁はこれからも続きます。
10月はオースティンがケガで抜け、打線のバランスなどを考えた中で、牧が最適ではないかと考え4番に据えました。連日、いろいろな記録を塗り替えてくれています。それでも牧自身は左右されず、毎日試合に向けてやるべき準備をしっかりしています。
今月は残念ながら、優勝とCSが消滅してしまいました。結果が数字として表れる世界ですが、試合は続きます。今日の試合をどのようにして勝つか、諦めることなくみんな戦ってくれています。応援してくれているファンの方に、少しでもいい試合を届けられるように。監督として結果にはすごく責任を感じていますし、もっと選手たちの力を発揮させてやれなかったのかなと…。
シーズンを振り返ってみると、複数回あった大型連敗で、自分自身何かできたのではないかなという反省はあります。未熟さも思い知らされました。外国人選手の合流が遅れる中でも、若い選手の出場機会は増え、その中で勝ちにつなげられなかった。前半の経験で、夏場にトライしたこともあります。143試合が終わったら、シーズンをまた振り返りますが、日々反省と課題克服の繰り返しです。(DeNA監督)
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