DeNA三浦大輔監督(47)がチームや球界を語る「月刊ハマの番長」の6月号。今月の一文字は「復」。けが人が「復帰」し、交流戦でチーム最高順位の3位に入るなど「復調」の兆しをみせた要因などを語りました。

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5月末から6月にかけて(伊藤)光、(今永)昇太ら、けが人が「復帰」しました。ようやくメンバーがそろってきた。交流戦では貯金3(9勝6敗3分けで球団史上最高タイの3位)と、チームの流れが良くなってきて「復調」しました。まだまだ借金はありますが、今月の一文字は「復」としました。

交流戦ではコーチを配置転換して、違う視点から選手にアプローチしてもらいました。チーム打率、本塁打の数字が良かったのは、選手に刺激を与えられたのかもしれません。

打撃コーチに関しては、田代巡回打撃コーチにベンチ入りしてもらいました。コーチ、現場スタッフを含めて最年長。経験豊富な方でポイント、ポイントで声をかけてくれる。時に熱く、時にどっしりと包み込むような感じで、お父さんとまでいかないですけど坪井コーチ、嶋村コーチとコミュニケーションをとりながらやっていただきました。

投手コーチも配置転換しました。木塚コーチをブルペン担当として、リリーフ陣に刺激を入れました。ブルペン担当だった川村コーチには、ベンチの雰囲気、イメージをより分かってもらうためでした。レギュラーシーズン再開で元に戻したのは、この入れ替えで見えたことを元のポジションで生かしてもらい、連携がよりよく取れるようするためです。

光の2番起用は、「どのタイミングでいこうかな」と前から考えていました。捕手を2番に持ってきたというより、自分のイメージする2番打者に、今いるメンバーでは「光が当てはまるな」と。右打ちもできて粘れるし、バントもうまいので2番にしました。現役の時、相性が悪かった2番は中日の荒木選手でした。初球からガンガンくる打者も嫌ですが、やはり追い込んでから簡単にアウトにならない打者はもっと嫌でした。荒木選手や井端選手は投げていて神経を使い、疲れるな、という感じがありました。「もうヒットでいいから早く打ってくれよ」という気持ちになったものです。

仙台での楽天戦(5月28日)の9回、1点差に迫られた場面で普段はコーチがマウンドに行きますが、流れと展開的に体が勝手に動き、川村コーチに「行きますね」と言って初めてマウンドに行きました。2年前に投手コーチをしていたので、ショートの大和には「懐かしいなと思って見ていました」と言われました。三嶋に「お前しかいない」「お前に任せた」と伝えました。

リーグ戦が再開し、前半戦は残り1カ月を切りました。その後はオールスター、五輪となります。現役時代の球宴は目立ってやろうと思い、速いボールを投げる投手が多い中、自分は一番遅い球を投げてやろうと考えていました。全力で投げても140キロぐらいしか出ないので超スローカーブを投げました。2013年に大谷選手(日本ハム)へ投げたのも超スローカーブでした。力と力がよくクローズアップされますが、変化球、コントロール、盗塁、バントもプロの技術。今年も横浜DeNAベイスターズから、たくさんの選手が選ばれて活躍してほしいですね。(DeNA監督)

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