DeNA三浦大輔監督(47)がチームや球界を語る「月刊ハマの番長」7月号。前半戦を総括しました。「今月の一文字」は「受」。借金13で最下位の前半戦をしっかり「受」け止め、自己分析をしてから後半戦に向かう覚悟を示しました。東京五輪への思いも語りました。

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今月の一文字は「受」です。借金13で最下位という前半戦の結果をしっかり受け止めて、五輪期間中にどうしていくか。監督、コーチ、選手全員で考えて振り返ることが必要。もっと何かできたことがあったのではないか。受け止めた後、各個人がどう行動に移していくか、また後半戦チームとしてどう戦っていくかが大切だと思います。

けが人が多く出たのは予想外でした。プレー中のけがは仕方ない部分はありますが、二遊間の倉本、柴田が同時期に離脱したことは痛かったです。その中で大和はしっかりカバーしてくれました。ショートだけではなくセカンドを守ったり、どの打順でも対応してくれました。大和自身いろんな思いがあると思いますが、それを表に出さず黙々とチームのためにやってくれて助かりました。

外国人の合流が遅れ、シーズン序盤に出場機会が増えた選手もいました。その中で新人の牧は、オープン戦から結果を出し、努力と対応力でポジションをつかみ取りました。外国人選手が合流しても試合に出続け結果を残してくれました。

伊藤光、山本もチームの連勝に貢献してくれました。桑原も苦い経験(※注)をしたけど、持ち前の元気でチームを引っ張ってくれています。試合に出ていなくても高城はベンチで元気に声をだして雰囲気をつくってくれて、チームを鼓舞してくれています。

投手陣は、失点403、防御率4・48はリーグワーストでした。特に先発陣がなかなかゲームを作れない試合が多かったと。6、7月は先発が5回以上投げられた試合が多くしっかり戦えていた。規定投球回数に現時点で達している投手がいませんが、2、3人は出てこないといけない。阪口、京山らも成長していますが、期待値が大きいだけに物足りなさも同時に感じてます。もっとできる投手たちだと思ってますから。

いよいよ東京オリンピックが始まります。自分はアテネオリンピックに出場させてもらいました。初めてマウンドに上がったのがイタリア戦で、スタンドにほとんど人がいませんでしたが、とても興奮して投げたのを覚えています。投げ終わってから興奮のあまり頭が痛くなりました。これが日の丸の重みかと感じた瞬間でした。この経験は野球でも人生でも財産になってます。当時のユニホームに監督、コーチ、選手全員にサインを書いてもらって、銅メダルと一緒に家に飾ってあります。

本拠地の横浜スタジアムで活躍する康晃(山崎)やアメリカ代表のオースティンを楽しみにしてます。オースティンには悪いけれど、日本が金メダルを取ってアメリカは銀メダル。ヨ・ロ・シ・ク!!(DeNA監督)

(※注)桑原の走塁 5月12日巨人戦(横浜)で同点の9回2死、一塁後方へ飛球を打ち上げた桑原は全力疾走しなかった。一塁手と二塁手が「お見合い」でポテン安打となったが、二塁に進むことができなかった。

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