仙台6大学野球春季リーグが17日、宮城・東北福祉大野球場で開幕する。19年春から3季連続準Vの仙台大(宮城)は、17年秋以来の6季ぶりの頂点と第70回全日本大学野球選手権記念大会(6月7日開幕、神宮、東京ドーム)出場を狙う。

同リーグは現在、73度の優勝を誇る東北福祉大が5連覇で一時代を築いており、昨秋に最多本塁打と最多打点で2冠に輝いた主軸の川村友斗外野手(4年=北海)が、自身初のリーグ優勝に燃えている。

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仙台大・川村のバットが、歓喜の瞬間を呼び込む。1年春からリーグ戦を経験している川村は、2年秋にブレーク。最高打率と最多打点の2冠を獲得し、さらにリーグ新記録となる10打数連続安打を樹立した。昨秋は打撃2冠を獲得も、東北福祉大との2試合で9打数無安打5三振に封じ込まれ「山野(太一)さん(22=ヤクルト)の変化球に対応できなかった。プロに行くような投手を打たなければいけない」と成長を誓った。

川村は今オフに「リーグ戦はレフトに打ってもフライで終わっていた。逆方向への長打にできればもっと良い選手になれるのではないか」と、逆方向への打撃向上に着手。さらに、同大グラウンドが全面土から人工芝に変わったことで、外での練習時間は増加した。その結果「去年よりは良い感覚で逆方向に打てていると思う」と、少しずつ練習の成果を感じている。

卒業後の進路はプロ入りを狙う。北海時代の同期にはDeNA阪口皓亮投手(21)がおり、「高校3年間練習してきたチームメートが、ドラフト3位でプロに行った。初めて身近な人がプロに行ったので、僕も目指したいなと思った」。同大ではオリックスの佐藤優悟外野手(24)、佐野如一外野手(22)らとプレーし、先にプロへ進んだ「戦友」から刺激を受ける。川村は「長打力をアピールすることが一番。足の部分でも走れることも見せられたら」と意気込んだ。

これまでに全打撃タイトルを獲得した経験がある川村。3冠王受賞なら、同大2人目の快挙となるが、「3冠王は取れたらうれしいですが、まずはチームが勝って、その結果がついてくれたら。個人でやるものではないので」と、チームの勝利を第一に考える。磨き上げたスイングで、チームを全国舞台に導いてみせる。【相沢孔志】

◆川村友斗(かわむら・ゆうと)1999年(平11)8月13日生まれ、北海道・松前町出身。松城小2年時に松城ユニオンで野球を始める。北海では1年秋からベンチ入り。2年夏と3年夏に甲子園に出場し、2年夏は一塁手として準優勝に貢献。仙台大では1年春からベンチ入り。2年秋に最高打率と最多打点、ベストナイン。3年秋は最多本塁打、最多打点、ベストナインを獲得。181センチ、90キロ。右投げ左打ち。50メートル6秒。遠投100メートル。家族は両親と弟。