上昇気配だったチームに、緊急事態発生だ。日本ハムは30日西武戦(札幌ドーム)の前に、西川遥輝外野手(29)と中島卓也内野手(30)の「ハルタク」に加え、清水優心捕手(24)の3選手が、新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。濃厚接触の疑いがある浅間大基外野手(24)を含め、4選手の出場登録を抹消。試合前練習でマスクを装着するなど警戒ムードの中、1-5で敗れ2連敗となった。

 

福岡からの移動ゲームとなったナイター西武戦。本拠地札幌ドームで繰り広げられた試合前練習の光景は、異様だった。キャッチボールや走塁、守備の練習中も、選手たちの大半はマスクを装着したまま。見るからに息苦しそうなのに、試合が始まるまで警戒ムードが解かれることはなかった。

この日、西川、中島、清水の3選手が新型コロナ陽性と判明。さらに、清水の車に同乗していた浅間にも濃厚接触の可能性が出てくるなど、球団は対応に追われた。高い出塁率を誇る主力の西川を筆頭に4選手を抹消。急きょ、遠く離れた千葉・鎌ケ谷の2軍施設から代替選手として、宇佐見や、栗山監督が「スペシャル・ウエポン」とした杉谷、平沼を札幌に呼び寄せたが、試合開始に間に合わず。途中から参戦した選手もいるなどドタバタだった。

試合は3回、左越え二塁打で出塁した石井が、1死三塁から「思い切って行った」と本盗を決めて1点を先制。打者の石川亮がスクイズを空振りし、暴投となった隙の生還だったが、チームにとっては、17年7月4日西武戦(東京ドーム)で西川が決めて以来、4年ぶりの本盗だった。序盤からアグレッシブに動いて先制点をもぎ取ったが、守備では手痛い失点もあった。1-2の6回無死一、三塁。今季初めて左翼守備に就いた王が、栗山のファウルゾーンへの飛球を犠飛とされ、追加点を許した。

昨季覇者ソフトバンク相手に5カードぶりの勝ち越しを決め、気分良く福岡遠征から本拠地に戻った矢先に待っていた思わぬ試練。チームは2連敗となり栗山監督は「本当に、この試合、なんとか出来ずに申し訳ないです。こういう状況になって、いろいろな方に迷惑をかけて申し訳ないです」と謝罪の言葉を繰り返した。「いるメンバーがベストメンバー。しっかり、やっていきます」と、5月の試合を見据えた。【中島宙恵】

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