プロ3年目の広島羽月隆太郎内野手(21)が「2番」定着に挑んでいる。前日まで5試合連続で先発2番出場し、この日も同様に名を連ねた。初回無死一塁から遊ゴロも、併殺崩れで出塁。「思い切ってスタートを切ろうと決めていた」と、続く鈴木誠の打席の3球目に盗塁を成功させた。降雨ノーゲームで記録は残らないが、一時的に“チーム単独トップの5盗塁目”をマークした。

積極果敢に先の塁を陥れている。今季は開幕1軍こそ逃したものの、2軍戦では10試合で10盗塁をマークし、4月9日に1軍昇格切符をつかみ取った。好走塁の要因を「勇気」と話す。「去年までは勇気がなくて、中途半端な気持ちだった。今はチャンスだと思って、どんどん勝負していきたい」と意欲十分だ。

ユーティリティープレーヤーとして、チームに欠かせない存在となっている。守備では本職は内野手ながら、今年3月から挑戦している外野手としての出場機会も増加。バットでも犠打などの「つなぎ役」だけではなく、打率3割6分8厘と奮闘中だ。佐々岡監督は「2番でいい仕事をしてくれている。何でもできる」と言えば、河田ヘッドコーチも「嫌らしい、つなぎのバッティングができる。(攻撃にも)動きが出るし、そういう意味では貴重な存在」と目を細めている。

今季チームでは固定することができなかった「2番」に定着しつつある。「チャンスが多い今の状況はうれしいです。1試合1試合が僕にとって勝負。無駄にせず1球1球全力でやりたい。役割を全うしたい」。身長167センチ、67キロとプロ野球選手では小柄ながら、チームで大きな戦力として、存在感を示している。【古財稜明】

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