タカの悩める切り込み隊長が、突破口を開いた。前夜のサヨナラ負けから約17時間後。ソフトバンク周東佑京内野手(25)が、初回、投前へのセーフティーバントを成功させた。工藤監督は「(周東)自身のアイデアです。ああいうところが大事。打つところで悩んだりしているところがありますし、そういう中で足を生かすやり方も1番にとっては大事」。周東にとって4月11日楽天戦以来、実に16試合ぶりの初回先頭安打が味方打線に火を付けた。

グラシアルの先制打、栗原の適時打を含む怒濤(どとう)の5連打に敵失も絡んで4点を先取。初回の4点は今季最多という、電光石火の先制攻撃だ。移籍後初登板、初先発のマルティネスを強力に援護した。

首脳陣の期待を背負い、周東は今季31試合目で27度目のスタメン1番に起用された。だが打率は2割前後を行ったり来たり。自慢の足もまだ4盗塁で、リードオフマンとしての役割を果たせているとは言えない。前日は無安打に加え、失点につながる失策もあった。それでも工藤監督はこの日の試合前に「1番周東君、使います」とキッパリ言い切った。

6回には鮮やかに、中押しの2号ソロ。「久しぶりにいい打撃ができた」と開幕戦以来となる本塁打も出て、マルチ安打も18試合ぶりだ。「もっともっと打たなければいけないと思うので、こういう打席をきっかけに、いいイメージをもって打席に入っていけるようにしたい」。浮上につながりそうな一打になった。

終わってみれば打線は先発全員の17安打を集め、今季最多の13得点で完勝。周東が初回先頭で安打を打った試合は5試合目で、4勝1分けの負けなしだ。周東が出れば、点が入る。周東が打てば、チームは勝つ。【山本大地】

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