楽天早川隆久投手(22)とロッテ鈴木昭汰投手(22)の両ドラフト1位左腕が2日、楽天-ロッテ9回戦(楽天生命パーク)でともに先発し、プロ入り後初めて投げ合う。

早川は早大の、鈴木は法大のエースとして、東京6大学野球リーグで競ってきた。約7カ月前、昨年10月3日の秋季リーグ戦での投げ合いを振り返る。

 ◇   ◇    

法大が勝ち点1、早大が勝ち点0・5の第3週第1戦で激突した。

初回、法大・鈴木はいつもの半袖姿でマウンドへ。連打を許しながら、3三振で切り抜けた。一方の早大・早川も3連続奪三振の立ち上がり。序盤から投手戦の空気が漂った。

先に大きなピンチを迎えたのは鈴木だった。5回、先頭打者に安打されるも、けん制死に。ところが流れを作れず安打、犠打野選、四球で1死満塁に。早大は中軸に回ったが、鈴木は3番滝沢虎太朗外野手(当時4年=山梨学院)をスライダーで空振り三振に。4番岩本久重捕手(当時3年=大阪桐蔭)を右飛にし、無失点でしのいだ。

7回も自身の暴投も絡んで2死一、三塁に。今度も4番岩本をスライダーで空振り三振にし、小さくガッツポーズをした。

走者を出しながら力投で切り抜けていく鈴木に対し、早大・早川は貫禄の投球だった。3、4、5、7回と走者は許すものの、多彩な球種で危なげなくイニングを進めていった。

9回にようやく動いた。早大は安打、敵失をきっかけに2死二、三塁の先制機を作った。鈴木は3番滝沢にスライダーを引っかけさせ、二塁ゴロでチェンジかと思われたが、二塁手の一塁送球がそれ(記録は内野安打)、三塁走者で先制のホームイン。試合開始から2時間17分でようやく均衡が破れた。

法大はそこで今秋ドラフト候補の三浦銀二投手(当時3年=福岡大大濠)にスイッチ。ところが4番岩本に中前適時打を浴び、2点目を奪われた。早川は9回裏も3者凡退にし、2-0で早大が先勝した。

ともに13奪三振の投球ながら、明暗はくっきり分かれた。鈴木は「こんなゲームになることは投げる前から分かっていた。結果が全て。悔しいです」と目を赤くし「自分の実力よりすばらしい投手。でもチームとして勝ちたかったです」と早川をたたえた。

早川は「優勝しか見てません。相手がどうあれ、自分ができることをやる」と淡々と話した。

翌4日の第2戦はともに終盤にリリーフ登板し、ここでも早川の投球に軍配が上がった。リーグ戦では早大が優勝し、法大は5位に終わった。