阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、プロ野球史上71年ぶりの快挙を遂げた。プロ初の4番で、5回に広島野村から8号逆転満塁本塁打を放った。新人の4番が満塁弾は1950年以来で、4番初試合では史上初めて。大物ルーキーの活躍でチームは3連勝。今季最多タイの貯金12とした。

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▼佐藤輝が逆転満塁本塁打。新人の満塁本塁打は16年8月25日高山(阪神)以来プロ野球56人、57本目。阪神では36年伊賀上、12年伊藤隼、16年高山に次いで4人目。この日は初の先発4番。新人4番打者の満塁本塁打は1リーグ時代の46年6月2日大下弘(セネタース=逆転)49年11月8日大岡虎雄(大映)と2リーグ分立初年度の50年6月26日南村不可止(西日本)に次いで71年ぶり4人目。過去3人は満塁弾を打つ前に4番を経験しており、4番初試合で満塁弾の新人はプロ野球史上初めてだ。

▼阪神の新人で先発4番は17年に12試合の大山以来6人目。大山は4番2試合目で本塁打を打ったが、4番初試合で本塁打は球団史上初。他球団を見ても、4番初試合で1発を放った新人は86年10月7日清原(西武)以来だった。ちなみに、長嶋(巨人)は1年目の58年に「4番三塁」で46試合出場したが、佐藤輝と同じく初めて4番を打った8月6日広島戦でVアーチ(先制2ラン)を放った。

▼阪神で「4番三塁」は前記大山らがいるが、左打者では02~03年の片岡篤史以来。ほかに両打ちの松永浩美(93年)、外国人選手では91~94年に活躍したオマリーの例があるが、生え抜きの「4番三塁の左打者」は77~88年に800試合で4番を務めた掛布雅之以来33年ぶりだ。