オリックス宗佑磨外野手(24)が、レアな記録で4位浮上に貢献した。西武に1点差に迫られた直後の8回2死二、三塁で中堅へライナー性の打球を放った。中堅の金子が飛び込むも届かず、打球が外野グラウンドを転々と抜けていく間に3つのベースを蹴り、2戦連発の3号ランニング本塁打にした。

宗 何点でも取るぞというふうに考えて、追加点を取るために必死で食らいついていきました。(三塁ベースコーチの)風岡さんがめちゃくちゃ手を回していたんで。全力で走りました。

4月30日ソフトバンク戦で自身初のサヨナラ打を放った24歳が、この日も快勝を呼び込んだ。昨年7月25日楽天戦で球団18年ぶりのランニング本塁打を放っており、今回は33年ぶりの2年連続ランニング弾というデータがついてきた。

1月中旬に左足裏を痛め、大阪・舞洲で調整。2月中旬にやっとノックを受け始め、宮崎春季キャンプに参加できなかった。落ち込む宗に救いの手を差し伸べたのは、酒井メンタルコーチだった。「僕の状況を酒井さんに伝えて、正面から話して、気持ちの整理をしました」。思いを伝え合ううちに焦りがほぐれ、自分を基礎から見直すことができた。「自分が追い求めている形を基本から固めて。キャンプに行けていないので実戦もやれていない。ひたすら体の芯、軸を作りました」。この日、ダイヤモンドを駆け抜けた強靱(きょうじん)な足腰を作り上げた。

「なんとか点を取ろうとしてくれている」と中嶋監督が目を細めた活躍。借金を1に減らし、勝率5割を視界に捉えた。【堀まどか】