虎自慢のブルペン陣が打ち込まれた。6-6と追いついた直後の7回。4番手でマウンドに上がった小林が苦悶(くもん)の表情を浮かべた。カウント3-1からの5球目149キロをオースティンに左翼席へ運ばれた。この試合まで12試合で自責1と安定感を誇っていた右腕が、その後も1死しか奪えず4失点で降板すると、代わった小野も1点を失った。

終盤に自ら流れを手放す形で連勝は4でストップ。4月29日からの黄金週間負けなしだったチームにとっては5月初黒星だ。矢野監督も一気に逆転ムードがしぼんだ7回の被弾について「慎重になるっていうのはもちろん分かるけど、強気にっていうのがちょっと弱かったかな。一気に流れにのまれた」と唇をかんだ。

振り返れば先発チェンが誤算だった。3回まで無安打無失点だった助っ人左腕が4回、落とし穴にはまった。先頭オースティンへ四球を与えると、そこからまさかの4連打。1死後も代打山下に右前適時打を浴びて3回1/3を4失点KO。「ボールが高いのがやっぱりね」と指摘した指揮官は「1度(出場選手登録を)抹消する。ロハスを上げる」と明かした。

8日から1軍昇格する新助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)はウエスタン・リーグ9試合で打率2割、2本塁打、6打点。社会人ホンダ鈴鹿戦で3打数2安打、1本塁打と打席を重ねている。外国人枠の兼ね合いもあって昇格の時期を見計らっていた。矢野監督は「キャンプ、オープン戦とロハスがいない状況で来ている。ここで見てみようかなと思う」。昨季韓国で本塁打と打点の2冠に輝いた待望の新助っ人が合流し、再加速を狙う。【桝井聡】