西武栗山巧外野手(37)が先制の決勝打を放ち、通算2000安打まで残り60とした。5試合ぶりの4番起用。初回1死一、三塁で回ってくると、ソフトバンク先発マルティネスの150キロの直球を、左前へ運んだ。貴重な先制打で松本を後押し。「打順については、たまたま今日は4番目だったというだけ。そこはあまり意識せず先制の1本が打てたのは良かったです」と冷静だった。

前日に同点2号弾を放った5番から、4番へスライドした。辻発彦監督は「組み替えたんじゃなくて、1番を外しただけ。ところてんです。下から押し上げて」1番不在の打線で、2番源田から1つずつ押し上げ、栗山が4番に入った“ところてん打線”で、プロ20年目のベテランにして、存在感は増すばかりだ。

昨季日本ハムに在籍したマルティネスには、3試合で5打数2安打、打率4割と好相性だった。キャリアを積み上げる中、幾度もある再戦には栗山流の心構えがある。「1打席1打席という考えは変わらないですけど、いいデータはプラスにとらえて。逆に、悪いものはまた新たに真っさらにして、そういう気持ちで向かっていく」。栗山らしい思考回路で、迎え撃った。

これで勝率は5割に戻した。タカには敵地負けなしの4勝1分け。「数字自体を意識するのではなく、目の前の1打席1打席に集中している結果。明日からも自分の役割をしっかり果たしていきたいです」。チームの勝利も2000本の大台も、無心でたぐり寄せていく。【栗田成芳】

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