広島ドラフト1位の栗林良吏投手(24)が、絶体絶命の大ピンチをゼロで切り抜けた。

8回1死満塁から登板し、無失点。9回も1点のリードを死守した。リーグトップタイの9セーブ目を手にし、自身が持つ2リーグ制後のデビューから連続試合無失点の日本記録を「15」に更新。チームは引き分けを挟んだ連敗を「6」で止め、4位に浮上。鉄壁の守護神が、地元愛知で躍動した。

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栗林が、最大のピンチを最高の形で切り抜けた。1点リードの8回1死満塁で登板。代打の代打井領を相手に4球連続で宝刀フォークを投げ込み、結果は投ゴロ併殺打。注文通りの完璧な結果でしのぎ、リードを死守。「1点も取られちゃいけない場面だった。内野ゴロか、三振も選択肢にあった中で、フォークをチョイスした。良いチョイスでした」と冷静に振り返った。

9回も“ミスター0”は健在。開幕から中日打線を13人連続で退けていたが、先頭大島に右前打、京田に四球で無死一、二塁に。そこで直球主体から変化球主体に切り替え、滝野、ビシエドを連続三振。最後は高橋周をフォークで二ゴロに斬り、ガッツポーズで喜びを爆発させた。「カーブだったりをチョイスしてくれた石原のリードのおかげ。ああいうところで冷静に考えてくれた」と感謝した。

プロ入り後初のイニング途中での登板と、回またぎでも動じなかった。これまで何度も8回から投げる準備をしていたという。この日も試合前に横山、永川両投手コーチから「今日は8回から行く準備しといて」と言われた。「事前に声をかけてもらったおかげで、準備もできた。いつも通り普通に入れたかなと思う」と話した。

抜群の安定感でチームを連敗ストップに導き、リーグトップタイの9セーブ目。また自身が持つデビューからの連続試合無失点記録も「15」に伸ばした。「ここからは本当に何も意識せずに、ただただチームの勝利に向かって投げるだけ。しっかり継続して、チームが負けないように戦っていきたい」。家族や高校、大学の友人らが現地で見守る中、プロとして躍動する勇姿を披露した。【古財稜明】

▽広島佐々岡監督(栗林について) 2イニング目の難しさもある中で、フォームが崩れたところをすぐ修正して、三振取るところがルーキーでできるというのは素晴らしい。栗林がおって良かった。

▽広島菊池涼(2-2の同点の7回、1死二塁から左翼線へ決勝の適時二塁打) 勝ち越しにつながって良かったです。

▽広島小園(8番遊撃で先発し、今季初の猛打賞を記録) 塁に出ることを意識しました。1本目のヒットも足を生かした当たりだった。ああいう1本はチームも乗ると思う。その後に点が入ったし、良かった。

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