ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、今季初の4番起用に燃えた。同点の7回に、チームにとって25イニングぶりの適時打となる決勝打。主軸のグラシアルが負傷離脱した翌日に、チームの顔が試合を決めた。

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いつもは穏やかな柳田にしては珍しく、熱い思いを口にした。「あまり今までは意識してなかったですけど。(意識)しましたよ、バリバリ。小久保さんに『今日4番やから、どっしり行け』と言われたので」。今季初の4番起用。主軸のグラシアルが離脱した直後に、小久保ヘッドコーチから「主砲」の役目を託された。

チャンスは巡ってくる。同点の7回2死三塁。「なんとか自分で打つという気持ちと、負けない気持ちだけでした」。4番の自負とともに振り抜いた打球は、一、二塁間を抜けていった。「バッティング自体は大したバッティングじゃなかったですけど」。前日は再三の好機を生かせなかったチームにとって、25イニングぶりの適時打が大きな決勝打になった。

験担ぎをして臨んだ試合だった。「塩を握りしめて、自らの体にかけて。清めた体で、後は気持ちでぶつかるという作戦が成功しました」。自宅でも、球場でも、体に塩を振りまいた。チームは前日に0封負け。柳田も9回2死満塁で凡退するなど、好機で打てていなかった。「ちょっと流れ悪いなと。塩で清めて、また気持ちを入れて、負けないようにと今日を迎えました」。これまでにも取り入れることがあったというルーティンで自身の、チームの流れを変えた。

この日、柳田はピンクのバット、グラブなどを着用してグラウンドを駆けた。16年にもお立ち台に立った「母の日」の活躍に「母さんに産んで育ててもらったので。後は長生きしてねという気持ちですね」と笑った。7年契約の2年目となった今年4月に、海外フリーエージェント(FA)権の資格を満たした。「感謝の気持ちもプレーにぶつけていきたい」と、さらなる大爆発で還元していくつもりだ。【山本大地】

 

▽ソフトバンク明石(8回に代打で左前適時打)「追加点となる1本をと、その気持ちだけでした。チームとして大きい追加点となって良かった。大事なところで1本を打てるように準備を続けていくだけです」

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