中日柳裕也投手(27)が8回2安打無失点、毎回の11三振を奪う圧巻投球でチームの危機を救った。今季の奪三振数58個は12球団トップ。エース大野雄が出場選手登録を抹消されるという厳しい状況下、新奪三振王がチームを支える。

3年ぶり2度目の完封はお預けとなったが、9回に登板したR・マルティネスがピンチを乗り切ると笑顔でベンチ前に姿を見せた。自身のピンチは3回2死から投手の玉村に許した安打をきっかけに満塁となった場面だけ。「落ち着いて投げることができた」と安部を三振に仕留めた。残る7イニングはすべて打者3人で抑えた。

「試合前の状態はあまりよくなかったが木下さんがいいリードをしてくれました」。前回4月の8回0封14奪三振に続く広島封じで3勝目。母の日はプロ5年目で初登板。「知っていたのでいつもより感謝の思いを持って投げました」。育ててくれた母への思いを口にした上で女房役の木下拓に感謝した。

140キロ台中盤のストレートと130キロ台のシンカー、120キロ台のスライダーと110キロ台のスローカーブをホームベースの四隅に配して三振を重ねる。トラックマンなどデータを有効活用することで各球種の威力はさらに増した。

「いろんな球種で勝負できている。大野さんが帰ってくるまでピッチャーを引っ張っていけるように頑張ります」。エース不在の危機は柳が救う。【安藤宏樹】

▽中日根尾(2試合連続マルチ安打)「抜けてきている球を合わせずに振り切れたのがよかったと思う。もっと完璧にとらえられるように次は頑張ります」

▽中日R・マルティネス(9回2死二、三塁のピンチも乗り切り5セーブ目)「ピンチを作ってしまったが、なんとか0点で抑えることができてよかったです」

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