国学院大が、10年秋以来20季ぶり2度目の優勝を飾った。1点を追う8回に押し出し四球と瀬戸成一郎外野手(4年=鳥取城北)、福永奨主将(4年=横浜)の犠飛で2点を勝ち越し。全日本大学選手権(6月7日開幕、神宮ほか)に初出場する。1部全日程が終了し、東洋大と立正大が2部1位との入れ替え戦に回ることが決まった。

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「戦国東都」を制し、頂点から見る11年ぶりの景色。鳥山泰孝監督(45)は、涙をぬぐった。「(優勝まで)あと1勝で負けていた試合や、卒業生の顔が浮かんだ。何度も苦汁をなめてきた。その思いを、学生が見事に果たしてくれた」と感謝した。

あと1歩が難しい、優勝への厚い壁を打線が打破した。1点を追う8回無死一、二塁、首位打者の川村啓真外野手(4年=日本文理)は「まずは同点。バントで行きます」と監督に告げた。結局はフルカウントから右前打となったが、仲間を信じる思いがつながった。2冠の山本ダンテ武蔵外野手(4年=大阪桐蔭)は押し出しの四球を選び、同点。瀬戸の犠飛で勝ち越した。犠飛で4点目を挙げた福永は「ここまで来たら、楽しもうと話していた。全員で、自分たちの野球ができた」と喜んだ。

3季連続を含めて2位が5度と、勝ちきれない時期が続いた。あと1歩の差は何か。監督がたどり着いたテーマは「破壊力」だった。終盤に圧力をかけられる打線を目指した。「ウチから、スラッガーを輩出しよう」。打力の高い選手のスカウティングや育成に力を注ぎ、打撃主要3部門を独占する“3冠王”打線に。指揮官は「予想よりいい打撃力になった。昔は怖さがなかったが、今年は相手が怖いと思う打線が作れてきた」とうなずく。壁を乗り越えた先には、みんなの笑顔があった。【保坂恭子】

▽ヤクルト嶋(母校・国学院大の優勝に)「優勝おめでとうございます。僕もみなさんの活躍に負けないように今シーズン頑張りたいと思います」

▽ヤクルト清水(母校国学院大の東都大学野球リーグ優勝について) 21季ぶりの優勝おめでとうございます。僕の時には果たせなかったので、自分のことのようにうれしいです。シーズン中ですが、ずっと気になってチェックしていました。僕も見習ってシーズンを頑張りたいと思います。