かつての同僚を3球三振に仕留め、ふふっと笑みをもらした。8回に救援登板したオリックス能見篤史兼任コーチが、ロッテ鳥谷敬内野手とプロ初対戦。阪神時代に苦楽をともにした旧友との対決は、能見に軍配が上がった。

打席に立つ鳥谷を見た。「ああ、来たなぁと。ずっと対戦はしたいなぁと思っていた。もっと楽な場面で対戦したかったんですけど…」。1点リードの8回2死一塁、代打鳥谷が告げられても、能見の鉄仮面は変わらなかった。マウンド、打席の両者は、ともに“勝負師”の顔。ネクストの鳥谷の姿も「見えてないんですよ。状況も1点差。楽しんでいる余裕はなかった」と能見は明かした。

勝負球は、伝家の宝刀フォーク。カウント0-2から140キロのフォークをベース板に落とすと、バットは空を切った。アウトを見届け、今月42歳になるベテラン左腕は目尻を下げた。

借金を1に減らし、4位に再浮上。今季7度阻まれた“5割の壁超え”へ、8度目の挑戦権を得た。中嶋監督は「みんな、そう言うから、今度は思いっきり意識してみようかな」と強気の姿勢を崩さず。19日の先発は山本。3位ロッテに勝てば同率3位。Aクラス争いに、オリックスが参戦している。【真柴健】