広島が緊急事態下の打線で、ともに今季最多タイの16安打10得点をたたきだし、今交流戦初勝利をもぎ取った。コロナ禍の影響で、首位打者の菊池涼、主砲の鈴木誠ら主力を欠いた打線が爆発。両リーグトップの得点を誇るロッテを上回る猛攻をみせての勝利。1勝0敗1分けの勝率10割で交流戦単独首位に浮上した。佐々岡監督は「先制された中で打線がつないでつないで。みんなこういう状況の中で1つになって戦う姿勢が出た」とうなずいた。

打線を引っ張ったのはベテラン松山だ。チームはコロナ禍に見舞われ、球団独自の判断で18日に出場登録を抹消され、自宅待機していたこともあり、16日DeNA戦以来の先発出場。3番に入り、2点を追う3回1死二、三塁からは同点の2点二塁打。4回は遊撃への内野安打で3打点目、6回無死三塁からは左犠飛を放ち、2安打4打点と奮起した。松山は「こうやってみんながいない時にも勝っていって、明日からも今日みたいな打撃をできれば」と気合をにじませた。

「特例2021」で18日に緊急昇格した選手も、チャンスをものにした。2番右翼で先発出場した2年目宇草はプロ初の猛打賞となる3安打1打点。7番メヒアもプロ初の4安打。8番で先発マスクをかぶった中村奨もマルチ安打をマークした。指揮官は「出る選手、若手が出て、このチャンスをものにしようという気持ちが出ている」と目を細めた。

乱打戦を制し、チームは交流戦通算で150勝の節目を飾った。引き分けを挟んで2連勝で、セ・リーグでは4位に順位を上げた。ここから上昇気流に乗っていきたい。【古財稜明】