「ミスターライオンズ」の一打から、山賊打線が目覚めた。西武栗山巧外野手(37)が、同点の4回無死一、二塁から勝ち越しの適時打。交流戦単独3位の308安打目で、通算2000安打まで残り39本とした。山川、呉念庭も連続適時打で続き、スパンジェンバーグの4号2ランで今季1イニング最多の6得点。DeNAに大勝を決めた。

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同点の4回無死一、二塁、連続四球で迎えたチャンスだった。栗山は、DeNAピープルズの初球のチェンジアップを右前にはじき返した。野球のセオリーとも言われる「四球の後の初球」を狙い打ったかに見えたが、打席に“全集中”で気付いたのは試合後の取材中だった。

栗山 確かにそうですね、言われてみれば。集中してたんでそこまで…。ちょっと、冷静ではなかったですけど。

20年目の経験から、好機では勝負の“鬼”と化す。3日の巨人戦、9回に値千金の同点打を放った時にも「やるかやられるか」と表現したように、理屈抜きに求めるのは結果。「勝負どころだと思ったんで、何とか思い切って。いい流れを持って来られてよかった」と“栗の呼吸”でバットを一閃(いっせん)した。

2000安打まで残り39本とし、元広島の新井貴浩を抜き、交流戦単独3位の308安打目を刻んだ。「新井さんの交流戦での安打を1本でも超えられて、とても光栄です」と笑顔。「(1位の)鳥谷さんはなかなか超えるのは厳しいかもしれませんが、(元楽天の)今江は同い年でもあるんで何とか超えたいです」と誓った。

「ミスターライオンズ」の一打が、猛攻の合図だった。山川、呉念庭も適時打で続き、スパンジェンバーグの4号2ランで今季最多の1イニング6点を奪った。辻監督は「久々の集中打でしたね。6点も取ってくれて、よかったです。その後の得点にも結びついたので、非常にいい一打でした」と“柱”の決勝打をたたえた。【久保賢吾】

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▽西武スパンジェンバーグ(4号2ランを含む3安打2打点) みんながいい流れで回してくれたので、その流れに乗って、打つことができたよ。

▽西武呉念庭(4回に2点適時打) チャンスこそ積極的にいこうという気持ちだったのでよかったです。あ、(同期の)愛斗が打ったのも刺激になりました。

▽西武愛斗(3回に同点の7号ソロ) 今日は中村さんにアドバイスをいただき、そのおかげで打つことができました。

▽西武松本(6回途中2失点でチームトップタイの5勝目も反省) (自身の投球で)いいな、と思うところはありませんでした。真っすぐのスピードも出ていなかったですし、球の強さが足りなかった。