谷繁元信氏(50)と里崎智也氏(44)が順位予想としては異例、そして球界初?の試みとなる中間報告に挑んだ。オリックス快進撃の陰でファンの悲痛な声を2人が代弁し、まさかの展開へ。阪神躍進とコロナ禍の因果関係を里崎氏が独自解説など多彩な切り口でトークは最高潮に。注目の中間報告は、谷繁氏が熱く語ったプロ野球選手のコンディショニング論などを盛り込み、You Tubeの「日刊スポーツ野球チャンネル」で公開中。動画撮影に携わった井上真記者の取材後記をどうぞ!
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何の因果で谷繁&里崎両評論家の動画撮影をすることになったのか。何度立ち会ってもあの2人にはかなわない。実はこちらからお願いして、昨春から出演していただいていることだけは、うっすらと記憶のかなたにはあるけれど。だから、2人には感謝はしています、本当に。
そもそも、動画ド素人の日刊スポーツは、この時流に完全に乗り遅れた。それに引き換え、里崎さんはいち早く「里崎チャンネル」を立ち上げ、今は押しも押されもせぬ野球系ユーチューバーとして確固たる地位を築いている。チャンネル登録者数46万人。かたや日刊スポーツは2万ちょっと。
歴然たる格差の中で、順位予想の中間報告という常軌を逸した企画となった。そんな企画を受けてくれるのか?と、不安はあったが、2人とも軽々と快諾してくれた。本来なら、予想と違う展開になっていたら、苦しいいいわけをすることになり、それも動画ならば評論家の2人としてはダメージはあってもメリットはない、はずだ。なのに、何の注文もなくあっさり快諾というのが、信じられなかった。
でも、せっかく受けてくれたのなら、途中経過とはいえ、結果論でいじわるく、ちょっとは追い詰めたりできるかな、と楽しみにしていたが、こちらの予想をはるかに超えてきた。
まず、谷繁さんの「開幕前に今年のセ・リーグの3位から5位は本当にどこが来るかわからないと言ってあるし。オレは1位と2位と6位を当てに言ってるからね」発言にぶっ飛んだ。
評論家がこれまで古巣チームに対して、もしくは利害関係のある監督さんに気をつかうあまり、苦悶(くもん)の表情で予想してきた大前提を、あっさり谷繁流で超えてしまった。それを力説など一切せずに、サラッと流れるような口調で「そんなの当然でしょ」くらいのノリで言える谷繁さんのおおらかさというか、リラックスした自然体が破格。余計な議論を差し挟む余地などなかった。
こうなると、トークでまったくひけを取らない里崎さんもさらに自由な発言連発。もうコントロールは効かない。そもそもコントロールなどできるとは思っていなかったが、生涯無料購読券を要求するは、要求がのめないなら評論家で労働組合をつくって調停に持ち込む、動画はパ・リーグとセ・リーグに分けて再生回数を稼げ等々、次から次へと難題を要求してくる。
揚げ句の果てには「10連勝して単独首位になっても1面にならないことで、SNSの中でオリックスはどうやったら1面になるんだって、言ってる人がいます」と、ものすごいネタを放り込んできた。すると間髪入れずに谷繁さんも「オリックスは交流戦で優勝しても1面じゃなかったでしょ。失礼でしょ。そりゃ怒るよね、オリックスファンの人も。かわいそうだよね」と呼応して、弊紙の1面選択に異議を唱える始末。
こうなると、持ってる里崎さんは強い。その対談の数時間後のナイターでオリックスが11連勝を決めると、編集局幹部が谷繁、里崎両氏に忖度(そんたく)したのかどうかは知らないが、流れるような手順を踏んでオリックス11連勝で1面決定となった。
弁解一切なしの中間報告、3カ月の無料購読券をゲットした上での大型無料購読券への継続審議のぼんやりした約束、そしてオリックス1面の実現と、すべての案件で谷繁さんと里崎さんが圧勝してこの企画、動画撮影は終わった。
これで再生回数が今春の37万回を超えたら、あの2人は今度は何を言い出すのだろう。まったく想像がつかない。できれば、その撮影からは手を引いて、傍観していたい。いや、本当に。百戦錬磨のプロ野球の捕手経験者と動画撮影なんて、やるもんじゃない。【井上真】



