西武内海哲也投手(39)は、テレビ越しに見るDeNA宮国の勇姿に感極まった。

「あの時のことを思ったらね…。ほんまに地獄を見たと思うし、リョウスケの頑張りはほんまにすごいなと」。巨人から戦力外通告を受けた昨年11月、現役続行の意思を聞いた瞬間、1月の自主トレに誘った。8カ月前、ともに流した汗と涙は、4年ぶりの白星へと変わった。

野球の神様が用意した巨人菅野との「師弟対決」に、7年前の自身の姿と重ね合わせた。巨人時代の14年8月29日のDeNA戦。師匠の高橋尚成と初対決し、完封勝利を挙げた。「智之もいろんな思いを抱えながら、投げてるんやろなと思いながら、リョウスケが必死に師匠に向かっていく姿はかっこよかったし、感動した」と声を震わせた。

6月10日のDeNA戦、内海が移籍後初の本拠地メットライフドームで勝利を挙げ、3カ月後に宮国が移籍後初先発を白星で飾った。「『2人で勝つぞ』って話したけど、それが実現した。僕自身が本当に力をもらった」とヒーローインタビューを見ながら、また瞳を潤ませた。【久保賢吾】