広島小園海斗内野手(21)が、1発を含むプロ初の5安打と暴れ回った。「2番遊撃」で先発出場。2点リードの5回には約2カ月ぶりの1発となるダメ押しの右越え2号2ラン。9回にも適時打をマークし、5打数5安打3打点と爆発した。夏場の不調を乗り越えた若きホープが、22イニング連続無得点だった打線を活気づけ、チームの連敗を「2」でストップさせた。

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小園が横浜の地で無双した。初回1死からは遊撃強襲の内野安打で出塁。1点を追う3回は1死二塁から右前打でチャンスメークし、逆転につなげた。2点リードの5回無死一塁からは、DeNA宮国の内角直球をコンパクトに振り抜き、右翼席上段まで運ぶダメ押しの2号2ラン。約2カ月ぶりの1発に「しっかりと反応ができた」。三塁ベンチに戻ると、カメラに向かって両手を縦横に重ね謎の「Tポーズ」を披露。しかし試合後は「秘密です」とけむに巻いた。

勢いはさらに加速した。7回2死から右前打で出塁。プロ1号を放った1年目19年7月26日ヤクルト戦以来の4安打を放つと、4点差に迫られた9回無死一、二塁では右前適時打。プロ初の5安打で相手に傾きかけた流れを引き戻した。「全ての打席で良い形で入れた」と手応え十分だった。

夏場に入り、好調だった打撃は下降線をたどった。定位置としていた「3番」も、9月には「2番」に。追い込まれてからのノーステップを1度やめ、すり足気味のフォームに変えるなど試行錯誤し、立ちはだかった壁を乗り越えた。「上を見て沈まぬように、高いところを目指してやっている。そういう気持ちが(結果に)出てきているんじゃないかな」と胸を張った。

25日DeNA戦で4打席に立てば規定打席に到達する。2試合連続マルチ安打で、打率も2割8分4厘まで上昇させた。「なかなか厳しいですけど、3割以上頑張ります」。若きホープが、2試合連続ゼロ封負けと苦しんでいた打線をもり立てた。【古財稜明】