今季限りで引退する中日藤井淳志外野手(40)が5日、バンテリンドームで会見を行った。中日一筋でユニホームを脱ぐことに「16年間支えてくださった関係者の方々、あたたかい声援を送り続けてくれたファンの方には感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。同外野手は13日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で引退セレモニーに臨む。

ここ2年は1軍機会がなく「体は元気ですが、ゆっくりと時間をかけて現実を受け入れよう」と引退決断に至った経緯を説明。引退発表の日に涙を流してくれた若い選手たちには「まさか涙を流してくれるとは思わなかった。(2軍での2年間も)まあ、いい過ごし方ができたのかなと。優勝旅行を経験して欲しい」とエールを送った。

豊橋東、筑波大、NTT西日本を経て05年の大学・社会人ドラフト3巡目で中日入団。06年に新人ながら開幕スタメンに抜てきされた。もっとも印象に残る試合はこの開幕戦だといい「2番スタメンで(1番)荒木さんが出て、バントのサイン。ファウル、ファウルで追い込まれてデッドボール。あれがぼくの野球人生の今を物語っていると思う」。後悔がある点を問われると入団から8年間、指揮官だった落合監督の時代を挙げた。「もう少し、いろんな意味で素直にというか、大人になって一皮むけていれば違う思いでいたのかな」と16年間で通算1093試合に出場し、634安打を刻んだ現役生活を振り返った。

今後については「野球より稼いでいるな、と思われるようにしたい」と明るく話す一方で、指導者への道についても「もしそのようなご縁があれば」と関心を示した。【安藤宏樹】