静岡大が9-3で東海大海洋に快勝し、2014年春以来15季ぶりの優勝に王手をかけた。プロ野球ドラフト候補右腕の井手駿(はやお、4年)と石田雄大(ゆうた、4年)が、ともに3回1失点と好投。勝利に貢献した。16日の最終日に現在5戦全勝の静岡大が常葉大浜松に勝てば、優勝が決定。負けた場合は、日大国際関係とのプレーオフになる。

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静岡大が誇る投手2枚看板が、マウンドに君臨した。まずは、先発の井手が流れをつくった。「(試合前の)ブルペンで真っすぐが走ってなかったので、キレてた変化球を使ってうまく投げられた」と冷静な投球を披露。カーブ、カットボールを自在に操り、3回1安打1失点にまとめた。

打線が4回までに9得点を挙げると、最後は石田が試合を締めた。9-2の7回に5番手として登板。同回に野手の2失策が絡み1点を失ったが、崩れなかった。コールド勝ち目前から“まさか”の続投も、「大事な一戦。気持ちが入っていた」と8回以降は得点を許さず。3回2安打1失点(自責0)の内容で、最後までリードを守った。

11日に控えるドラフト前最後の公式戦を勝利で飾った2人。「やれることはやれたと思う。後は待つだけです」と口をそろえ、充実した表情で汗を拭った。

チームもこれで、開幕から無傷の5連勝。16日の今季最終戦・常葉大浜松戦に勝てば、15季ぶりの優勝が決まる。井手が「最後まで気を緩めずにやっていきたい」と言えば、石田も「与えられた役割をこなしたい」と頼もしかった。栄冠まであと1勝だ。【前田和哉】