オリックスが1996年(平8)以来、25年ぶりにパ・リーグ優勝を決めた。2位ロッテが楽天に敗れて決定。京セラドーム大阪で待機していた中嶋聡監督(52)をはじめ、ナインが喜びを爆発させた。

優勝が決まった瞬間、温和な平野佳が思い切りほえた。メジャーから4年ぶりに、古巣復帰。積み上げた29セーブが尊いVを導いた。

「優勝…。僕の願望でした。プロに入って16年ですけど、1度も経験がなかった。後輩たちが、僕に優勝の味を教えてくれました」

37歳の年齢に逆らいムチ打ってきた。日米通算745試合登板のタフネスだが、五輪ブレーク中の7月末、首に激痛が走った。トレーナー相手の20メートルほどのキャッチボールが山なりになったことも…。だが人知れず治療やリハビリを重ね、マウンドに立てば何事もなかったように振る舞った。

これまでのチーム最高位は、14年の2位だった。「ほとんど覚えてない。全く。過去のことは、何も思わない。若い子がみんな頑張って、今、強いチームになっている」。海を渡り、帰ってきたチームは、戦う集団になっていた。その一員になれたことがうれしかった。