21年シーズンは、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスがリーグ制覇した。両チームともに前年最下位からの「下克上V」を達成したが、ヤクルト・マクガフ、オリックス平野佳ともにシーズン途中から抑えに配置転換され、チームの戦いを安定させた。日米通算381セーブの佐々木主浩氏(53=日刊スポーツ評論家)が、今季のクローザーを「大魔神の目」でチェックした。
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両リーグともに、セーブ数の上位にランクインするクローザーがいるチームが、ペナントレースでも上位につける。
パ・リーグは2位のロッテ益田が38セーブ、セ・リーグも2位の阪神スアレスが42セーブでトップに立つ。優勝したヤクルトのマクガフはシーズン途中の配置転換で31セーブを挙げ、同様にオリックスの平野佳も29セーブ。後ろが安定すれば、ゲームプランを立てやすく、勝率も上がる。
今季、NO・1のクローザーはスアレスだろう。160キロを超える球の速さ、落ち球も素晴らしく、右打者の内角にきっちりと投げきるコントロールも抜群だった。62回1/3を投げ、8四球と数字を見れば制球力の高さは明らかである。
ロッテの益田は、開幕直後こそ打ち込まれる場面も見られたが、彼の存在なくして今の順位はないだろう。24日の日本ハム戦では3点リードの9回に2点を失ったが、抑えは勝ちきることが大事。チームの勝ちにつながればOKである。
ルーキーながら、抑えに抜てきされた広島の栗林も素晴らしかった。真っすぐの質が良く、ボールのスピンも利いている。終盤に入って、リリース時の右肘が少し低くなって、フォークの落ちが悪くなる時も見られたが、1年目から立派な数字を残した。
抑えで大事な資質は、コントロールとウイニングショットがあるかである。三振がほしい場面でいかに狙って三振が取れるかが求められ、この2つの条件は必須である。
今年は新型コロナウイルスの影響で、9回打ち切りの特殊なシーズンだった。ただ、高いレベルで注文するならば、相手に恐怖心を与えられるクローザーは何人いただろうか。
私が考える最高の抑えは、相手から「こいつが出てきたら、試合が終わる」と恐れられる投手。9回にドシッと構えるのは当然で、8回でもピンチになれば回またぎで登板するのではないかと重圧をかけられれば、相手の攻撃の焦りにもつながる。
そういった意味では9日のヤクルト戦、12日の巨人戦で回またぎでセーブを挙げたスアレスは真のクローザーだと感じた。もちろん、回またぎを乱発するのはケガにもつながるので避けるべきだが、相手に「8回途中からくるかも」と意識させ、勝負を早めさせるのも抑えの役割の1つである。(日刊スポーツ評論家)



