失策減へ「守備漬け甲子園」開催! 14日から始まる阪神の秋季練習第2クールで、課題の守備練習に重点を置くことが決まった。井上一樹ヘッドコーチ(50)が「来週の頭の日はメイン球場では守備だけをやる。バッティングは中(室内)でやる」と明かした。甲子園球場のメイングラウンドで行っている屋外の打撃練習を封印。練習のほとんどの時間を土にまみれて白球を追う時間に費やす。

レギュラーシーズンの86失策は4年連続12球団ワーストで、巨人とのCSでも2連敗敗退の一因になった。矢野監督も9日のオーナー報告の際に「守備のエラーは減らしていかないといけない。それがなければ、もちろん優勝も可能だった可能性も十二分にある」と話していた。失策減は17年ぶりリーグVに向けて最重要のテーマ。これまでにない取り組みで本腰を入れる。

厳しい守備練習にスパイスも利かせる。今春キャンプでは2人で1000球近くのノックを受ける「デスノック」、かけ声なしの無音の中で行う「サイレントノック」を実施。同ヘッドは「極端なことをいえば、外野の人間が内野を守ったり、内野の人間が外野を守ったり。やりようはナンボでもある」と守備位置を入れ替えたノックも計画する。

今季86失策のうち、甲子園では44失策。土の甲子園が本拠地だけに、不規則バウンドが多い分、守備は人工芝よりも難しい。約半数を戦う本拠地の失策減なくして、勝利への道は開けない。1000本ノックに、シャッフルノック…。守備を徹底的に鍛え直し、実りの秋にする。【桝井聡】

★矢野阪神の失策減への取り組み

◆キャンプ早出特守 1年目の102失策を教訓に、矢野監督2年目の20年春季キャンプでは連日の早出特守が定着。大山、糸原、木浪ら内野陣が志願して午前9時から白球を追った。助っ人マルテが100球超のノックを受ける日もあった。

◆川相塾 2年間で失策減が解消されず、矢野体制3年目の今春キャンプで、元巨人の川相昌弘氏を臨時コーチに招いた。遊撃で6度のゴールデングラブ賞を獲得した技を虎ナインに伝授。約3週間にわたって熱意あふれる指導を受けた。

◆Death(デス)ノック 川相塾に加え、井上ヘッドコーチの考案で今春のキャンプメニューに登場。矢野監督もノッカーを務めた。量をこなして動きを体に染みこませる特守。約250球の箱×4を2人で受け続ける。地獄の1000本ノックで、グラウンドからは若虎の悲鳴上がった。

◆サイレントノック 今春キャンプ中盤に実施。かけ声を出して行う守備練習を、あえて無音で実施。大歓声の甲子園で選手同士の声が聞こえない場面を想定した。以心伝心もテーマだった。

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