日本ハムは22日、23年春に開業する新球場「エスコンフィールド北海道」で、同年夏の甲子園出場をかけた南北北海道大会準決勝と決勝(計6試合)を実施すると発表した。

球団から北海道高野連へ無償での球場使用を申し入れ、同高野連の理事会で決議された。例年、南大会は札幌円山、北大会は旭川スタルヒンなどで実施されてきたが、道内球児に夢を与える、もう1つの“聖地”が誕生することになる。

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北海道の球児たちに、夢の舞台を提供する。日本ハムが、「エスコンフィールド北海道」の高校野球での使用を道高野連に申し入れ、12日の同理事会で満場一致で決議された。「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」の前沢賢取締役事業統轄本部長は「新球場プロジェクトが具体的にスタートした2015年から思い描いていたことであり、ついに実現するのかと思うと非常に感慨深いものがあります」とコメントした。

23年開業の新球場は、日本初の開閉式の天然芝球場。左右非対称で、バックネット裏の最前列席はグラウンドレベルとほぼ同じ目線の“メジャー仕様”となる。世界的にも最先端の施設で、甲子園出場をかけた高校球児の真剣勝負が行われれば、北海道の野球熱も一気に高まる。道高野連の遠藤直樹会長は「大勢の観客の皆様の前で練習の成果を発揮できる晴れの舞台となり、さらに、プロ野球の世界を実感でき、野球への情熱を一層高める機会となるものと思っています」と期待した。

日程は準々決勝まで南大会は札幌円山、北大会は旭川スタルヒンで実施。今夏同様、中5日を空けて、新球場で北大会準決勝、決勝、南大会準決勝、決勝と連続開催する方向で検討されている。南北準決勝の前日には、それぞれ4強校の公式練習も設けられる。道高野連では「とても関心の高いスタジアム。そういう場所で球児たちが野球をできることは大きな励みになる」と歓迎した。

現状では23年の開催だけが決定しており、24年以降は今後、検討される。道高野連の今野満常務理事は、新球場に最も近い北広島高の副部長を務めており「近くで球場が出来上がっていく姿を見て野球部も気持ちを高ぶらせている」と言う。夢のボールパークは、球児たちのモチベーションを上げる、大きな起爆剤になる。

○…2年後に3年生になる現1年生球児が早くも気持ちを高ぶらせた。南北海道勢の北海・熊谷陽輝投手は「自分にとって最後の大会が記念すべき新球場1回目となる試合。必ず甲子園切符を勝ち取りたい」と意気込んだ。今秋全道を制した北北海道勢のクラーク・新岡歩輝遊撃手は「すごく楽しみ。スタジアムでプレーすることを励みに頑張ります」。麻原草太捕手は「今までの日本の球場と違いメジャーリーグの球場のような雰囲気と聞いている。絶対にグラウンドでプレーしてみたい」と思いをはせた。

▽今秋全道大会で優勝したクラーク・佐々木啓司監督(65) 北海道の高校野球に携わる人間にとって大きな目標になる。選手にはそのステージに立てるよう練習に励んでもらいたい。

▽昨秋の全道、今夏の南大会を制した北海・平川敦監督(50) 近くにそういう球場ができれば当然、やりたいという気持ちは出てくる。夢があっていい。

▽今秋全道大会で準優勝の旭川実・岡本大輔監督(48) 野球界全体にとって非常にうれしい話。まずは、そこにたどり着けるように、頑張らせないと。

▽今夏の北大会を制した帯広農を率いる西川雄太郎監督(33) 伊藤大海投手が投げている球場でやれるということ。選手にとって、大きな刺激になるはず。