ヤクルトが4勝2敗でオリックスを下し、2001年以来、20年ぶり6度目の日本一に輝いた。

   ◇   ◇

つないでつないで、日本一にたどり着いた。神戸の寒空に10回舞った高津臣吾監督は「寒かったですね。でもみんな熱く燃えてグラウンドに立ってくれた結果が、こういう結果だと思います」。グラウンド上で、1人1人に声をかけた。野手も投手も、全員が指揮官の掲げる「つなぐ野球」を体現した。

オリックス山本に、継投策で対抗した。約1カ月ぶりに先発した高梨は1点リードした直後の5回2死から1失点。同点となった直後に、ベンチからパーカー姿の高津監督が出てきた。早めに継投策に踏み切り、2番手にはシーズン終盤からリリーフに転向したスアレス。5回2死一塁で、宗を三振に仕留めて流れを渡さなかった。

スアレスは、イニングまたぎで2回1/3を被安打1の無失点。7回を終えて1-1だったが、指揮官は勝利の方程式へ切り替えた。3番手清水は5月21日DeNA戦以来のイニングまたぎを託し、9回2死一、二塁で福田を中飛に抑えると大きくガッツポーズ。9回を1人で投げきった山本に対し、ヤクルトは3投手で計1失点。負けられない試合にエースをぶつけてきた相手に、指揮官は「もちろん勝つ気で。なかなか難しい投手ですけど、みんなでつないでなんとか勝つことが出来ました」と言った。

10回は、この日のリリーフで唯一の左腕田口が左打者2人を抑え、そこから守護神マクガフを投入。2回1/3を無失点とし、勝利投手に輝いた。高津監督は「高梨から始まり、マクガフまでみんなが持ち味を発揮して、すばらしい投球をしてくれたと思います」とたたえた。結果的に3投手を回またぎで起用し、大一番でブルペン陣は無失点。日本一の投手陣になった。【保坂恭子】