新人野手でプロ野球史上最高の評価を得た。DeNA牧秀悟内野手(23)が16日、横浜市で契約更改交渉に臨み、年俸7000万円でサインした。2年目の野手では20年近本(阪神)の4500万円を更新する史上最高額。投手を含めても和田(ダイエー)に次ぎ、松坂、菅野(巨人)と並ぶ歴代2位となった。また1300万円から438%の昇給率も、00年松坂大輔投手(西武)と並ぶ新人史上最高だ。

牧は前半戦が打率2割7分7厘でセ・リーグ16位も、後半戦は3割7分2厘で1位だった。前半は腰痛で苦しんだが「1カ月オリンピック期間で空いて、いい時間が過ごせた。打撃が改善できた」。7月後半に体力を回復し、技術面でも成長した。新潟で行われた8月15日の後半戦開幕戦(ヤクルト戦)では、メンタル面も刺激を受けた。長野県中野市で美容院「coco」を営む家族が、プロで初めて観戦に訪れたのだ。

「一塁ファウル(ゾーンのネット)裏ぐらいの本当に近く。駆け抜けたらそこにいるぐらい。アップする時にちょうどいたので、手を上げました。うれしかった」。少年野球の監督一家、祖父佐藤要造さんも一緒だった。野球を始めた小学校1年から6年生まで、祖父は庭にネットを張り、打撃練習ではティーを上げてくれた。牧は「とにかく強く振ることを教えてもらった」と打撃の基礎を築いた。年末の食事で、感謝を伝えるはずだ。【DeNA担当=斎藤直樹】