阪神ドラフト7位の中川勇斗捕手(17=京都国際)が、盗塁阻止率5割を将来的な目標に掲げた。4日、京都市内の同校で自主トレを公開。二塁送球1秒8の強肩を誇るルーキーは、目指す阻止率について「古田さんの6割(4分4厘)が最高ですよね。5割に上がるぐらいまで成長していきたいです」と言葉に力を込めた。

5割は球団では田淵ら5人しか成し遂げていない。「梅ちゃんバズーカ」の異名を持つ梅野でさえも、自己最高は17年の3割7分9厘。「甲斐キャノン」のソフトバンク甲斐も昨季記録した4割5分2厘が最高値だ。

この日は極寒の中でも本塁から二塁へ糸を引くようなスローイングを連発し、武器の片りんをのぞかせた。中川は捕手から一塁へのけん制を得意としていたといい「警戒されていたのか分からないんですけど、そんなにむっちゃ走ってくることがなかった。僕はどんどん投げていくスタイルなんで。それが大きいかなと思います」と胸を張る。

捕手の研究に余念はない。ユーチューブなどで審判目線の動画を見てプロの球筋を予習。際どいゾーンの球を球審にストライクと判定させるスキル「フレーミング」については阪神坂本を参考に技術を磨いている。握り替えやブロッキングは甲斐の動きをまねし、ミットは「型が一番はまっていて、捕りやすくて、握り替えしやすい」と、昨春のセンバツから広島会沢モデルを愛用している。まさに“良いとこ取り”で捕手の能力を高めてきた。

大志を抱く未完の大器が、プロの世界でも強肩をさく裂させ、チームに勝利をもたらす。【古財稜明】