ヤクルトの球団マスコット、つば九郎が7日、契約更改交渉を行い、昨季年俸2万8000円から倍増近い年俸5万円と「ヤクルト1000」飲み放題、活躍に応じてクーポン券支給の条件でサインした。記録に残るつば九郎の過去の契約更改は以下の通り。(金額は推定)

 

◆09年12月25日、推定年俸2896円(つばくろう)で来季の契約を更改。終身契約の要求は鈴木球団社長に断られたが、来季の目標にドアラから人気マスコットNO・1の座を奪うことを掲げ、球団からも「バック宙ができたらプラス2896万円」という破格のインセンティブを与えられた。ドアラとの違いについて「見た目と人当たり」と自己分析。

 

◆10年12月17日、2896(つばくろう)円から大幅アップとなる8960(やくると)円プラス出来高払いとヤクルトの飲み放題で一発サイン。1万円の大台には届かなかったが、地域活動の東京23区訪問達成などが評価された。来季目標として、筆談で「こじんてきには にしあざぶのちあんを まもりたい」と宣言。神宮球場周辺ではなく、歌舞伎俳優市川海老蔵が暴行を受けたビルのある地域に興味を示した。来季年俸の出来高払い項目としてフジテレビの「笑っていいとも!」出演や、TBSの「サンデーモーニング」で張本勲氏から「あっぱれ」という言葉をもらうことなどが設定された。

 

◆11年12月21日 マスコット界初の大台突破となる1万円プレーヤーに。衣笠社長に「ねんぽうあっぷ?」と筆談で直談判。8960円から1040円増+ヤクルト、タフマン飲み放題でサイン。大好物のビールも、ピッチャー2杯を勝ち取った。唐揚げを前にした会見では、ご満悦。巨人入りした杉内のように、後ろを振り向き涙を流した。使い道については「ありまでばい、そしてにしあざぶへ」と豪語。「らいきはこんぷらいあんすと、ぎろっぽんほうめんをまもっていきたい」と約束した。球団側は主催全試合でファンを盛り上げたことや「つばさんぽ」で東京各地を回ったことを評価。中日ドアラのように、バック宙が出来れば「つば九郎」をもじった2896万円の出来高を付けたが「ぢになるのでやめます」と、痩せるつもりはないようだ。

 

◆12年12月26日 マスコット界初のFA宣言を行ったが、結論は志願の現状維持、年俸1万円で残留を決めた。都内の球団事務所で交渉を行い、衣笠球団社長兼オーナー代行から他社移籍の場合は、帽子のYSマークやユニホームのスワローズロゴは商標登録しているため使用禁止を通達された。「よそに行ったら『なに九郎』になるのか」と迫られて降参。残留を決断。球団側からは年俸2万8960(つばくろう)円を提示されたが、「このそうどうでめいわくをかけた」と一部返上を申し出た。ヤクルト400飲み放題、遠征時ビールピッチャー3杯なども勝ち取り、デビュー20年目となる翌年4月7日のDeNA戦で記念セレモニーを行うことも決定。3日のFA宣言後22社からオファーを受け7団体と交渉したFA騒動が終結。ただ「らいねんはおとなしくします」と、最後まで「生涯ヤクルト」は宣言せず。

 

◆14年2月17日 契約交渉が越年しキャンプに自費参加も大幅アップを勝ち取った。沖縄・浦添で契約更改交渉を行い、20周年のご祝儀も含め、年俸は20%アップとなる1万2000円(推定)で、ヤクルト400、タフマン、蕃爽麗茶の飲み放題の出来高でサイン。また、衣笠球団社長に「やくるとの CMに でたいです ごうりきちゃんと きょうえんです」とアピール。「本社に言っておきましょう」と返事をもらうと、ダンスで喜びを表現。

 

◆15年1月29日 チームが最下位ということもあり1万2000円から25%減となる9000円+出来高(ヤクルト製品飲み放題)で更改。ダウンは初めてだった。

 

◆16年1月8日 都内某所で契約更改交渉に臨み保留。昨季年俸9000円に対し、球団側から提示された2万円に難色を示して決裂。「やまだくん(2億2000万円)を もくひょうに しましたが まったく おりあわず つばくろう はんこ もってきた つもりが りっぷくりーむ でした さいしょから はん おすなと かみさまが いっていたのかな?」

 

◆16年1月20日 2度目の交渉で1万3000円アップの年俸2万2000円を勝ち取った。大幅アップ後の会見では「さむらい(侍ジャパン)にもはいりたいです」と猛アピール。

 

ヤクルト つば九郎が“大とり”で契約交渉を更改した。昨季年俸の9000円から大幅アップの2万2000円でサイン。ヤクルト飲み放題、同行できなかった優勝旅行先のハワイ土産のチョコを特典として獲得した。お金の使い道については「こんや あざぶで ぱとろーる!」。今年の野望は「しゅうかんしを さわがせない」と笑顔!?を見せた。

 

◆16年12月27日 「プーチン流交渉」に失敗。契約更改交渉に3時間遅刻。球団の年内業務は終了しており、張り紙で現状維持の2万2000円(推定)で契約する旨を通達された。「ぷーちんのようにちこくしたのに こうしょうしてもらえなかった かみってなかった」とガックリ。酉(とり)年の来季は「りゅうこうごたいしょうになる」と切り替えていた。

 

◆17年12月27日 不満を爆発させながら、契約更改。グッズの売り上げ1位などをアピールしたが、球団からは「交渉の余地なし」と現状維持の2万2000円でサイン。出来高でついていたヤクルト飲み放題もなくなり、査定担当が去った後は「ちがうだろー」「そんたくってやつか?」と怒りをあらわにした。しかし最後は「みやもとさんにほめられるようがんばります」とし、来季へ気持ちを新たに。チームは最下位だった。

 

◆18年12月26日 3000円アップの2万5000円でサイン。来年は、つば九郎の25周年の節目でもあり、ちなんだ数字に落ち着いたようだ。昨年、無くなっていた出来高のヤクルトとタフマンの飲み放題も復活。

 

◆20年1月16日 当初は12月に予定されていたが、イノシシ退治で忙しいため、“越冬つばめ”ならぬ“越年つばめ”となっていた。年俸は5000円アップの3万円でサイン。出来高のヤクルトとタフマンの飲み放題もゲットした。「がっきけーすがなくて…。ぶじいのししもたいじして たべたよ」と明かした。年俸については「もくひょうのやまだごえならず。ばれんてぃんぶんのじゃっかるもできず」と悔しがっていた。

 

◆21年1月19日 前年末の交渉で2896円減の提示にチーム唯一の「ほりゅう」をしたが、前年に飲み放題だったヤクルト400から、ヤクルト1000への“昇給”を勝ち取った。最終的には2000円減の年俸2万8000円+ヤクルト1000飲み放題でサインをしたが、早くも「2021のおふFAのちゃんすがあればちゃれんじしたいとおもいます」と波乱を予感させていた。