ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が12日、佐賀・嬉野市内で自主トレを公開した。参加メンバーはチームの後輩である真砂、谷川原に西武戸川、ロッテ安田、今年は新たに日本ハム清宮が参加している。

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この日、柳田は珍しく「ホームラン40本打ちたいです」と、具体的な目標を掲げた。しかも自己最多36本塁打を上回る数字だ。その真意は「戸川牧場の、戸川の父ちゃんに『40本打ったら馬ください』と言ったら、いいよと言われたので。打ちます」。競走馬育成牧場「戸川牧場」の代表を務める、西武戸川の父との約束がきっかけだった。

学生時代から熱心な競馬ファンだった柳田は「まだ見えないところやったんですけど、奇跡のチャンスが来るかもしれない」と、馬主になれるかもしれないというチャンスに発奮。「戸川牧場に行きたいですわ。今シーズン、それがモチベーションです、今は」と期待を膨らませた。

ランニングメニューでは若手と同じ本数をこなし、打撃練習ではティー打撃やロングティー、フリー打撃を6人で回しながら、1時間以上バットを振り続けた。「昨年ちょっとけがしてしまったので、けがしないように、セーブしながらも練習していくというのがテーマなので。今のところ順調にきていると思います」。昨年は自主トレ期間に両アキレス腱(けん)を痛めてキャンプをリハビリ組で過ごしただけに慎重を期しながら、自身を追い込んでいる。

藤本新監督の下、新主将として臨む今季。「馬主になる夢」という最高のニンジンを追いかけ、チームを頂点に導く。

◆球界と馬主 JRAの馬主になるには経済要件では、基本的に所得金額が過去2年とも1700万円以上、保有資産7500万円以上を求められる。プロ野球関係者では、日米通算381セーブを記録した大魔神こと佐々木主浩氏が06年にJRA馬主資格を取得し、13年ヴィクトリアMのヴィルシーナなど、最高峰レースのJRA・G1を4勝。海外G1も、ヴィブロスで17年ドバイターフを制している。現ロッテ・ピッチングコーディネーターの吉井理人氏は13年11月にJRA馬主になったことをブログで発表。DeNA三浦大輔監督は、11年に現役選手として初のJRA馬主となり、リーゼントブルースが12年6月に初勝利を挙げている。地方競馬では日本ハム新庄剛志監督の愛馬タノシンジョイが09年9月の船橋競馬で勝利した。競走馬の値段はセレクトセール(セリ)で決まり、6億円で落札された例もある。

◆戸川牧場 1960年(昭35)創業の北海道・日高町にある戸川洋二夫妻が家族経営する牧場。主な生産馬は安田記念、天皇賞(秋)、香港カップなど海外2勝を含めG1を6勝したモーリス。G3を勝ったダイシンオレンジ。西武に入団した戸川の活躍を願って名付けられ、ホッカイドウ競馬で重賞を2勝したサムライジャパンなど。