「フルカウント」の意識を変え、打撃のステップアップを目指す。

西武源田壮亮内野手(28)が27日、埼玉・所沢の球団施設での自主トレ後、オンラインで取材に応じた。ショートでたまらん美技を連発する守備職人は、昨秋から打撃練習に重点的に取り組む。打率は入団から5年連続2割7分台。昨年の秋季練習でも松井稼頭央ヘッドコーチ(46)に「3(ボール)-2(ストライク)の時のアプローチ」を尋ねていた。

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昨季、源田のフルカウントでの成績は43打数11安打の打率2割5分6厘。15個の四球を選んだ。悪くない数字にも見えるが、「苦手なカウント」との意識があるという。

「フォアボールは取りたいし、でも三振はしたくないし、あわよくばヒットも打ちたい。いろんな気持ちが出てくる」。いろいろな意識、欲と折り合いを付けようとするが、思い描いたように体を操作できない。微妙な誤差が出る。「2-2の時は見逃せたボールが、3-2になると見逃せない」と自己分析する。

打破するために「いろいろやってみます」と、まだ明確な答えが見つかったわけではないが、苦手意識の1つの理由も見えつつある。

「フォアボールが欲しいから、ちょっと(振りが)小さくなって、タイミングがずれているんじゃないか」。

「球の待ち方」の意識次第で体の反応も変わる。「ボールを振らない」と「ストライクを振る」は異なる。四球も意識し、三振を逃れるような「小さい」振りは、結果としてマイナスに出る場合もある。選球の判断、技術を狂わせる。「小さくなってしまって、トップも作れなくて、全部振っちゃう」。始動のタイミングなど模索しながら、バッティング向上を目指していく。

「僕は今までずっと出塁率が低い。やっぱり四球が取れれば出塁率も上がるし、打率も落ちにくい。カウントが進んでいって、もったいない凡打とか、そういうのを減らせるように」

球界を代表する守備力も「できる限り守備率10割に近づいていけるように」と向上心は尽きない。他の野手なら届かないような打球も、追いついてしまうゆえ、エラーとなるケースもある。それは名手の宿命だが、「どんどん守備範囲を広げたいとずっと思っていますし、その中で守備率10割でいけたら、もっとうれしい」と言う。

攻守とも細部の意識を突き詰め、バットでも一流の輝きを放つ。【上田悠太】