ロッテ佐々木朗希投手(20)が無の境地でシーズンに入る。1月31日、沖縄・石垣島での自主トレ後に報道陣の代表取材に対応。プロ3年目のキャンプイン、これまでとの気持ちの違いを問われると、淡々と口にした。

「1年目は緊張だったりとか。まぁ、2年目は少し慣れてきて、3年目、今は何も思わないです」

昨年終盤の好投の要因も「慣れ」と表現した。最速163キロ右腕は日を、年を重ねるたび、本来のパフォーマンスを安定的に発揮できる域へと近づいている。

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この日も、小沼健太投手(23)とのキャッチボールは力強かった。左足を高々と上げる、代名詞ともいえるフォーム。1月中旬にはへそ付近までだった左つま先が、この日は胸上にまで達した。40メートルほどの距離でも、力強い直線がどんどんと伸びた。

年始には地元岩手で傾斜投球を始めていた。少々は雪も降り、1月はもとより底冷えする三陸。「あの時期にブルペンに入ったりはなかったので。例年よりは少し仕上げは早いのかなと思います」。大船渡高3年時の初ブルペンは、温暖な千葉・内房にて3月28日に。その時も「(冬は)キャッチボールとかほとんどしていなかったです」と話していた。プロ初登板した昨季は3勝を挙げ、球速も159キロまで出した。中6日での先発ローテーションが強く期待されるプロ3年目へ、これまでとはペースも違う。至って順調だ。

開幕投手への期待もかかる。「その時点での、チームから一番信頼を置かれている投手だと思います」と定義付け「そういう選手になれるように準備していきたいと思います」と言った。1日もキャンプ初日からブルペン入りする予定だ。掲げるテーマは「超」の一文字。1年が終わってみたら、どれだけ大きな数字をたたき出すか。幸運のサイン“天使のはしご”が夕空にかかった石垣島で、静かに動きだす。【金子真仁】