ロッテ安田尚憲内野手(22)が明るい。4回、4番山口の2ランの直後だった。「山口が変化球だったので、初球から直球狙いでした」。高さも勢いも出た、右中間への1発。ホームを踏むと「よっしゃー!」と2度3度、笑った。

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中軸で起用されながらも満足いく結果を出せない、もどかしい2年が続いた。今年はどこか表情が違う。新型コロナウイルスの療養でA組合流が遅れたこともあったのか。元気さが目立っている。

「特に、僕はサードを守りたいと思ってやっているので、これからもどんどん盛り上げていけたら」

石垣島を離れ、実戦の日々に入っても姿勢は変わらない。履正社(大阪)からドラフト1位でプロ入りし、5年目を迎える。

「5年目になって、声であったり、態度であったりというのは、後輩もたくさん出てきたので、いい見本になれるようにやっていけたらなと思います」

いまや年下の選手は、チーム全体の20%以上にあたる17人もいる。若手のリーダー格を務めるべき存在になってきた。

ドラフト1位の松川が18歳にして初打席初安打を放てば、ベンチ前で率先して「ナイスバッティーング」と出迎えた。「自分は1年目、試合に出るだけで苦労していたので。堂々とプレーしてすごいな、本当にすごいな」。そう、ドラ1の後輩をたたえた。広い背中で経験を伝えていく。

ただ、年上選手から見れば、まだまだ弟的存在なのか。試合前には対岸のベンチから「安田、しっかり頼むぞ~」と、楽天川島に去年までと同じようにいじられていた。【金子真仁】