中日柳裕也投手(27)がオープン戦2度目の先発に臨み、5回を1安打無失点。新球スローカーブの威力も満点で毎回の8奪三振と完璧な投球を披露した。昨年、最優秀防御率と奪三振王に輝いた右腕が春本番を前にエンジン全開だ。

【ニッカン式スコア】中日ーヤクルト詳細速報

初回、先頭の塩見を3球すべて直球143キロで空振り三振。これを皮切りに奪三振を重ねる。ハイライトは4回。課題だった変化球の精度アップの1つとして100キロ台のスローカーブを試投。山田を101キロ見逃し、村上を101キロ空振り、中村を102キロで見逃しと王者ヤクルトのクリーンアップを3者連続三振に仕留めた。

「去年はあんなに遅いカーブは投げてなかったので相手も頭になかったという部分もあると思う」。新球奪三振ショーは控えめな自己評価を口にしたが「(他の)カットボール、チェンジアップもうまく制球できたのでその辺は良かったと思う。(全体的に)ある程度、思い通りに操れる球が多かった」と進化の手応えをしっかりつかんだ。

立浪監督は「順調にきている。あんなボールが使えると幅が広がる」と新球開発で右のエースに信頼感をいっそう強めた様子。注目の今季初登板については「(落合)ヘッドコーチが決めてますから」と明言こそ避けたが、今後も日曜日の登板が続くことから「まあ、そんな感じになっていくんでしょうね」と巨人との開幕シリーズ第3戦(27日)濃厚を示唆した。開幕投手に指名した大野雄と2人で敵地勝ち越しを狙う。【安藤宏樹】