広島ドラフト6位の末包昇大(すえかね・しょうた)外野手(25)が4打数3安打猛打賞で期待に応えた。

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DeNAとの開幕戦(横浜)に「7番右翼」で出場。球団では06年の梵英心以来となる新人スタメンをつかむと、いきなりバットで見せた。0-0の2回1死一、三塁。DeNA先発東の低めチェンジアップにくらいついた。腕を伸ばして拾った打球は左前にはずんだ。「初打席でヒットが出てプロ野球選手としていいスタートが切れた。初物づくしでよく頑張った」。初適時打に一塁上で右腕を突き上げた。

相手先発の東には「いいイメージ」を抱いていた。東洋大3年時に当時立命大4年の左腕と対戦していた。二塁打と本塁打を放っており「大学時代の自慢が唯一それ」。3-0の4回先頭でも東の高めカットボールを左翼フェンス上段に直撃させる二塁打で出塁。大学時代からの相性の良さをプロでも発揮した。

ルーキーのバットは2安打では止まらなかった。7点リードの6回1死一、二塁では中前打を放ち3安打。球団新人の開幕戦での猛打賞は2リーグ制後では、58年古葉、森永以来3人目の快挙。「記録に名前を残せるのは光栄」。末包の初適時打を皮切りに、チームは先発全員安打の17安打11得点で大勝した。「今日、プロ野球選手になれた1日。野球人生でもこの1日を大事に、忘れないようにしてまた頑張っていきたい」。即戦力ルーキーが最高の公式戦デビューを飾った。【前山慎治】

▼ルーキー末包が決勝点となる先制適時打を含む3安打。新人の開幕戦猛打賞は18年藤岡裕(ロッテ)以来で、広島では58年の古葉と森永以来64年ぶり3人目。開幕戦でV打の新人は16年柴田(DeNA)以来で、広島では球団初になる。なお、2リーグ制後の新人で開幕戦で「猛打賞+V打」を記録したのは、56年穴吹(南海)97年小坂(ロッテ)に次ぎ3人目。セ・リーグの新人では初めてだ。

○…開幕初スタメンの坂倉も猛打賞発進した。2回に今季初安打で先制点をお膳立て。6回1死満塁から三塁適時内野安打で中押し。8回にも右前打でチャンスメークし、ダメ押し点につなげた。打撃だけでなく、慣れない三塁守備でも初回に好フィールディング。「飛んでくるとは思っていたので、いい準備ができていたと思います」。攻守でチームの士気を上げた。