阪神の若き新守護神、湯浅京己投手(22)が、絶体絶命のピンチを無失点で切り抜け、プロ初ホールドを手にした。1-1の延長11回に3番手で登板。先頭大田の右前への打球に佐藤輝が飛びつくもキャッチできず後逸した。無死三塁。そこからの投球は圧巻だった。

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「ピンチの場面でしたが『やるしかない』という気持ちで1球1球丁寧に投げることができました」

アドレナリン全開だった。桑原を切れ味抜群のフォークで空振り三振に斬ると、続く楠本は外角151キロ直球でバットをへし折り、一ゴロに。最後は佐野を1ボールから渾身(こんしん)の直球で一ゴロに退けた。「相手に合わせることなく、自分の間合いで投げられた事がいい結果につながった」と手応え十分だ。

開幕から守護神を務めていた新外国人のケラーの調整不足が露呈し、急きょクローザーに抜てきされた。まだセーブ機会での登板はないものの、この日は守護神にふさわしい内容で、首脳陣の信頼度をさらに高めた。矢野監督は「今日のピッチングを自信にしていってもらったらいい」と絶賛。延長10回を3人斬りで終えたセットアッパー岩崎との盤石のリレーを形成。次こそ初セーブの期待がかかる。【古財稜明】