阪神佐藤輝明内野手(23)が、均衡を破る先制の3号ソロを放った。中日戦に「4番三塁」で出場。両軍無得点の6回、2死から中日先発大野雄の初球、甘く入ったスライダーを豪快に振り抜いた。打球は高々と舞い上がり、右翼スタンド最前列に吸い込まれた。

【ニッカン式スコア】12日の中日-阪神戦詳細スコア

「積極的にいこうと思って打席に入りました。甘い球を1球で仕留めることができて良かったです」

難敵大野雄からのアーチは昨年に続く2発目。ベンチで首にかけられた「虎メダル」をナインに向けて見せびらかすように両手で持ち、「ヨッシャー!」とほえて喜びを表現した。

4月に入り、主砲の打棒が上昇気流に乗ってきた。開幕10試合目の5日DeNA戦(甲子園)で今季40打席目にして待望の22年1号が飛び出すと、9日広島戦では森下から左翼ポール際への1発をマーク。この日は2試合ぶりの1発と、ペースを上げてきた。

2桁借金を抱えるチームは、打線のテコ入れを敢行した。この日を含め、開幕から全15試合で出塁している近本を今季初めて「3番」で起用。近本に代わる1番には、開幕前に新型コロナの感染から9日に1軍復帰した島田が入った。2番には今季初先発の山本に加え、ドラフト6位の豊田がプロ初スタメンに名を連ねた。そのリニューアル打線も難敵の大野雄をうちあぐねたが、4番がここぞで1発。打つべき男が打てばチームも活気づく。【古財稜明】