重量打線が帰ってきた。DeNAが阪神に逆転勝ちし、今季2度目の同一カード3連勝を収めた。

誕生日を迎えた4番牧秀悟内野手(24)が3号3ラン。牧と同じく新型コロナウイルスから復帰したばかりの楠本泰史外野手(26)も1号ソロで続き、勝率を5割に戻した。横浜スタジアムで阪神に同一カード3連勝するのは07年9月以来、15年ぶり。試合は6回裏途中で降雨コールドとなった。

【21日】DeNA-阪神/スコア詳細>>

6回裏の中断中、スタンドから「ハッピーバースデー」のメロディーが流れた。牧は視界が白くなるほど降り続く雨とは対照的な、晴れやかな笑顔を浮かべてベンチから立ち上がる。両手の指で「2」と「4」をつくって応えた。

自ら祝砲を打ち上げた。1点を追う3回無死二、三塁。一時逆転の3号3ランを、ファンの待つ右中間席へ。「初回、チャンスの場面で三振していたので、何としてもランナーをかえすんだと強い気持ちで打席に入りました」。右こぶしを突き上げながら1周した。

この日は24歳の誕生日。試合前には球団公式ツイッターで「今日も勝てるように、勝利の一打を自分で打っていきたい」と、バースデー弾を“予告”していた。昨年の誕生日は親族が見守る中、無安打に終わった。「今年も長野から家族、親戚が来てくれた。打ててよかった」と喜んだ。

7日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、20日に1軍戦線に戻ったばかり。1月末に続いて2度目の感染だったが、復帰2戦目で4番の仕事を見せた。牧だけではない。4回にはこの日1軍登録された楠本が1号ソロ。満塁弾で阪神に傾きかけた流れを呼び戻した。「何としても塁に出ようと。スタンドまで届くとは思ってもいなかったです」。1番右翼でのスタメン起用に一発回答した。

今季初の本拠地3連勝。阪神には昨季まで8年連続で負け越しており、横浜スタジアムで阪神に同一カード3タテを食らわせるのは15年ぶり。4月に限れば18年ぶりとなった。5回に戸柱、藤田と代打攻勢で勝負に出た三浦監督は「選手たちがよく応えてくれました。1つずつみんなで集中して戦っていきたい」とたたえた。チーム内で集団感染が発覚した6日以来となる、借金完済だ。【鎌田良美】

 

▽DeNA坂本(中5日の登板で4回5失点)「雨のことを考え、先に点を与えたくなかったのですが、投手にヒットを許し、先制点を与えてしまったことは反省点。逆転してもらった直後、ランナーをためてから失投してしまい悔しい」

▽DeNA藤田(5回2死三塁から勝ち越しの中前打)「あの回は追いつくより追い越したいという気持ちで打席に入った。今日は牧が42歳(本当は24歳)の誕生日だったので、勝利を飾れてよかったです」