北海道の新たな独立リーグの歴史が始まった。HFLの開幕戦、石狩レッドフェニックス対美唄ブラックダイヤモンズが行われ、7-3で石狩が勝利した。3回に石狩が相手失策に乗じるなど一挙6得点。7、8回に美唄の反撃を受けたが、逆転を許さなかった。日本ハムなどで活躍した石狩の坪井智哉監督(48)は「何はともあれ良かったです。ちょっとバタバタしたけど、勝たないと」と喜んだ。勝利球を渡されたが「球団社長に」と受け取らず、「2勝目でいただきます」と笑った。

攻撃時には三塁コーチスボックスに立ちながら、サインを出した。DeNA打撃コーチ時代に習得した指笛も駆使して指示した。「僕も試合に入っていなかないと。ベンチでボーッと見ていたらダメ」と、選手と同じ目線で一緒に戦う。NPB入りを目指す選手たちについて「伸びしろしかない。楽しみ」。成長をサポートするつもりだ。

リーグをさらに盛り上げたい思いは強い。強風と気温1ケタの寒さのなかでも、230人が駆けつけた。同監督の現役時代からのファンという男女の姿も見られたが「もっと来てもらいたい。僕らも企画を考えながらファンに来てもらえる努力をしていかないと」と、集客アップを目指す。

元北照監督として春夏計8度甲子園出場を果たした美唄の河上敬也監督(63)も独立リーグ指揮官としての船出だった。「練習でも続いていた守備の乱れからの失点が今日の試合でも出ている。シーズンは長いので」と反省しつつ、次戦での初勝利を目指していた。【保坂果那】

○…石狩の先発森康典(22=ウイン北広島、市柏)が7回2失点で勝利投手となった。6回まで無失点だった。12~14年に巨人に育成選手として所属した兄和樹の背中を追い、NPB入りが夢。坪井監督のもと成長を目指す右腕はヒーローインタビューで「熱いプレーを見せようと思って全力で腕を振りました。先頭打者に3球連続ボールを出して、足がブルブルに震えてました」と、笑顔で振り返った。