楽天田中将大投手(33)が日本球界復帰後は初となる完封勝利で4勝目を挙げ、チームを11連勝に導いた。球威抜群の直球とキレのある変化球、制球もピカイチでロッテ打線を寄せ付けなかった。日本球界での完封勝利は13年7月9日の日本ハム戦(東京ドーム)以来、3227日ぶり。今季チーム初となる完封ショーで、これで開幕から6試合連続でハイクオリティースタート(7回2失点以下)となった。田中将は「先週、初完投を涌井さんにとられたんで、初完封できてよかったです。1人1人、1球1球、しっかり投げること。それだけです。ピンチの状況だけにとらわれずに、対峙(たいじ)しているバッターをしっかり抑えるプランを考えて投げていた」と振り返った。

打線は5回2死満塁で登場した代打の切り札、銀次内野手(34)が遊撃へのゴロに全力疾走で決勝の先制適時内野安打とした。「頑張っている将大のために、何とか先制点を取りたいと思って打席に入りました。内容は良くなかったんですが、とにかく一塁まで必死に走りました。野球の神様が助けてくれましたね」と笑顔。8回にはホセ・マルモレホス外野手(29)がダメ押しの2点適時二塁打を放った。

投打で役者が存分に力を発揮し、楽天の“ゴールデンウイーク”は力強く継続した。

◆田中将の完封勝利 日本では13年7月9日日本ハム戦(東京ドーム)以来、9年ぶり19度目。13年の田中将は開幕から24勝無敗でチームの日本一に貢献。開幕12連勝目となった同日の日本ハム戦は散発4安打に抑え、7番右翼で出場していた高卒ルーキーの大谷(現エンゼルス)とは死球、四球、遊ゴロだった。14~20年はヤンキースで4完封を記録し、直近は19年6月17日レイズ戦だった。

▼楽天が連勝を11に伸ばした。これで今季の成績は24勝6敗1分けとなり、勝率がちょうど8割。30試合以上消化して勝率8割以上は、42試合目に8割5厘だった83年巨人以来で、2リーグ制後は7度目(他に2期制では、73年後期に阪急が記録)。勝率8割キープは65年南海の81試合目までが最長で、2リーグ制後に最終勝率が8割以上の球団はない。今季の楽天は先制試合が16勝1分けで、先制試合を含め途中でリードした試合は24勝1分け。リードを奪えば負けない楽天が勝率を8割に乗せた。