阪神青柳晃洋投手(28)が、6回2失点で4勝目をもぎ取った。DeNA打線に毎回の8安打を浴びたが、要所をしのぎ1回と5回の1失点ずつに抑えた。「内容的には満足できる投球ではなかった。梅野さんと野手陣にも助けられながら6回まで投げられ、最低限の仕事ができたと思います」。DeNAには昨年から5連勝とキラーぶりを発揮し、チームの連敗ストップに貢献した。

本調子ではない中、工夫を重ねた。打線が2点を先制した直後の初回、2死三塁から牧に速球を左前適時打とされた。立ち上がりは苦しかった。「制球が良くない中で、自分のできることは全部やり切ろうと思っていた」。4回。先頭で迎えた牧との再戦ではクイックモーションから低めの変化球で空振り三振。序盤に直球やツーシームなど速球系を狙われたことから、中盤以降はスライダー、チェンジアップなど変化球の割合を増やし、要所を切り抜けた。

この日は母利香さんと兄勇輝さんが別々で現地を訪れていた。勇輝さんは、もともと14日の試合を予定していたという。「本当は僕の試合に来る予定ではなくて。横浜での試合を知り合いと見に行くことが多かったみたいで」。青柳が当初先発予定だった13日の試合が、自身12度目の雨天中止となりスライドで先発。「僕がスライドして入ってきただけなので。珍しい(兄の)観戦となりました」と笑った。チームの雨天中止翌日9連勝を届けられた。

球団では03年井川慶以来の4戦連続完投はならなかった。それでも再び規定投球回に到達し、防御率は試合前まで1位で投げ合った上茶谷を抜き去り、1・09で再び1位に躍り出た。「また(3日後に)消えてしまう数字なので、もっと長いイニングを投げて、ずっと規定に乗れるように頑張りたい」。次回は中5日で20日巨人戦の先発が濃厚。その先には「5・27」でロッテ佐々木朗との決戦が、現実味を帯びてきた。【古財稜明】

○…3番マルテが先制点をたたき出した。1回無死二、三塁。2ストライクから上茶谷の直球を右犠飛とした。「1、2番の2人がいい流れで作ってくれたチャンスだったし、走者を本塁にかえすという役割を果たしたいと思っていた」。これが今季初打点。5回は1死一塁から左翼線に二塁打をマーク。右足コンディション不良から復帰3戦目で持ち味を発揮した。

○…4番佐藤輝も中野のパワーに目を丸くした。1試合2発と活躍した同期に「かなりビックリしました」と仰天した表情を浮かべた。自身も初回に右翼線へ適時二塁打を放つなど、3安打1打点。今季3度目の猛打賞とした。今季もハマスタで打率5割3分8厘と打ちまくる若き主砲は「いいイメージをみんな持ってる。好きな球場です」と笑顔で球場を後にした。

○…5番大山が意地で1点をもぎ取った。4-1の5回1死二、三塁から4番佐藤輝が申告敬遠。満塁で打席に立つと、中犠飛で5点目を刻み、先発上茶谷を引きずり下ろした。「1点でも多く青柳さんを援護したいと思っていた。最低限の仕事ですが、追加点を取ることが出来て良かった」。左脚の状態が万全でない中で貢献し、7回守備からベンチに下がった。

○…糸井がダメ押しの2点適時打を放った。ぎっくり腰から復活し、「6番右翼」で2試合連続スタメン出場。5回に大山の犠飛で4点差とし、なお2死二、三塁で、代わったばかりの三上の内角148キロを右前に運んだ。「絶対にランナーをかえすという気持ちで打席に入りました。追加点を取ることができて良かったです」。2試合連続タイムリーとし、20打点は佐藤輝に並びチーム最多だ。

○…渡辺が3人斬りで、前回登板の雪辱を果たした。7点リードの7回に2番手で登板。先頭伊藤裕を空振り三振、戸柱は2球で遊ゴロに。桑原には追い込んでから5球ファウルで粘られるも、140キロ直球で投ゴロにねじ伏せた。前回11日広島戦は1回2失点でプロ初黒星。「前回悔しい思いをしていたので、今日しっかり抑えることができて良かった」と胸をなで下ろした。

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