阪神中野拓夢内野手(25)が「サイクル超え」の4安打4打点で快勝を呼んだ。

DeNA戦に3戦連続の「2番遊撃」で先発。初回に二塁打、3回は上茶谷から2号2ラン、5回は中前打。三塁打を打てばサイクル安打で迎えた6回は3番手宮国と対戦。快挙を「狙っていた」といい、フルカウントから6球目を振り抜いた。「人生で一番、手応えがありました」。完璧に捉えた打球は右翼席中段まで飛んだ。

「追い込まれてからしっかりホームランを打つことができましたし、初球からもしっかりといい当たりのヒットを打つことができたので非常にいい打席内容だった」

1年目の昨季は1本塁打で、人生初の1試合2本塁打で早くも3本目。サイクル安打に再び挑んだ9回は遊飛に倒れたが、プロ初の4安打で打率をチームトップの3割まで伸ばした。打順別では2番の21試合が最多で、この日は1番近本とのコンビで7安打、7得点。前輪駆動がしっかり機能し、13安打、9得点での大勝を呼び込んだ。

矢野監督は「拓夢もホームラン2本はすごい。3割にも乗ってたし、もっともっと高いところ目指してやってもらいたい」と絶賛。昨年チームは横浜スタジアムでのDeNA戦は5勝1敗と好相性だったが、今年4月は3連敗を喫していた。不穏な空気を断ち切り、連敗を2で止めた。【三宅ひとみ】

▼阪神中野拓夢が自己初の1試合2本塁打。新人だった昨季に打ったプロ初本塁打は神宮で、今季1号も神宮。通算4本塁打は、神宮と横浜で2本ずつ打っている。

▼1試合4安打も自己初。昨季12度、今季3度あった3安打を上回った。4打点も4月24日ヤクルト戦で記録した自己最多に並んだ。

 

○…3番マルテが先制点をたたき出した。1回無死二、三塁。2ストライクから上茶谷の直球を右犠飛とした。「1、2番の2人がいい流れで作ってくれたチャンスだったし、走者を本塁にかえすという役割を果たしたいと思っていた」。これが今季初打点。5回は1死一塁から左翼線に二塁打をマーク。右足コンディション不良から復帰3戦目で持ち味を発揮した。

○…4番佐藤輝も中野のパワーに目を丸くした。1試合2発と活躍した同期に「かなりビックリしました」と仰天した表情を浮かべた。自身も初回に右翼線へ適時二塁打を放つなど、3安打1打点。今季3度目の猛打賞とした。今季もハマスタで打率5割3分8厘と打ちまくる若き主砲は「いいイメージをみんな持ってる。好きな球場です」と笑顔で球場を後にした。

○…5番大山が意地で1点をもぎ取った。4-1の5回1死二、三塁から4番佐藤輝が申告敬遠。満塁で打席に立つと、中犠飛で5点目を刻み、先発上茶谷を引きずり下ろした。「1点でも多く青柳さんを援護したいと思っていた。最低限の仕事ですが、追加点を取ることが出来て良かった」。左脚の状態が万全でない中で貢献し、7回守備からベンチに下がった。

○…糸井がダメ押しの2点適時打を放った。ぎっくり腰から復活し、「6番右翼」で2試合連続スタメン出場。5回に大山の犠飛で4点差とし、なお2死二、三塁で、代わったばかりの三上の内角148キロを右前に運んだ。「絶対にランナーをかえすという気持ちで打席に入りました。追加点を取ることができて良かったです」。2試合連続タイムリーとし、20打点は佐藤輝に並びチーム最多だ。

○…渡辺が3人斬りで、前回登板の雪辱を果たした。7点リードの7回に2番手で登板。先頭伊藤裕を空振り三振、戸柱は2球で遊ゴロに。桑原には追い込んでから5球ファウルで粘られるも、140キロ直球で投ゴロにねじ伏せた。前回11日広島戦は1回2失点でプロ初黒星。「前回悔しい思いをしていたので、今日しっかり抑えることができて良かった」と胸をなで下ろした。

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