楽天岸孝之投手(37)の研ぎ澄まされた集中力が、勝利をつなぎ留めた。2回と4回にロッテのレアードとマーティンにソロ弾を浴びて2失点。それでも右腕のマインドは変わらなかった。「無駄なランナーを出さないようにという思いで投げました」。6回は、1死三塁からレアードの遊ゴロでホームを狙った三走佐藤都を本塁タッチアウト。なおも2死一、二塁としたが、福田秀をカウント2-2からの外角低めへの112キロカーブで空振り三振に仕留めた。

6回6安打2失点。傷口を広げずに1点差にとどめ、ベンチでアイシングしていると、7回に打線が爆発した。連続押し出し四球で勝ち越すとマルモレホスの満塁弾で試合を決めた。「(6回)最後の場面で点を与えなかったのが大きかった。逆転してもらった場面は『ありがとう』という思いでした」。我慢の投球で逆転勝ちを呼び込んだ。

今季は開幕3連勝を挙げ、前回登板で初黒星を喫した。「打たれたのは結局、甘い球だったり追い込んでからの制球の問題だった。その辺を意識した」と、調整段階からしっかり準備し、結果につなげた。試合前には西武時代からの同僚涌井の右手中指骨折のニュースが飛び込んできた。勝利の方程式の一角だったブセニッツに続く長期離脱が投手陣を襲ったが、37歳のチーム最年長投手として連敗を2で食い止めた。今季4勝目。リーグトップに並んだ。

これで通算145勝として、節目まであと5勝。「ホームランは打たれてしまいましたが、守備にも助けられ、なんとか粘れたかなと思います」。少し控えめでありながら、その存在感は首位を走る楽天に欠かせない。【栗田成芳】

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