JR東日本東北(宮城・仙台市)が、きらやか銀行(山形市)との両軍合計24安打の乱打戦を制した。3-3で迎えた4回1死一、三塁、金沢龍介外野手(23=専大)が勝ち越しのセーフティーバントを決めた。七十七銀行(仙台市)は、水沢駒形野球倶楽部(岩手・奥州市)に11-0の7回コールド勝利。13安打11得点の猛攻に加えて、被安打は「4」と投打ともに好調。両チームは今日9日、第2代表決定戦進出をかけて対戦する。

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打線が4回裏に相手先発の武田龍成投手(24=専大)をつかまえた。3回まで3安打も、この回に一挙5安打。1-3で迎えた1死一、二塁、7番若林蒼太外野手(24=東農大)、8番小山倭誠内野手(25=亜大)の連続適時打で3-3と同点に追いつくと、9番金沢のセーフティーバントで4-3と勝ち越し。金沢は「2ボールだったのでストライクを取りにくると思った。一塁手の位置を見て、セーフティーが決まりそうだなと思いました」と、打席を振り返った。下位打線の勢いに後押しされ、投手陣も奮起。4回以降、得点圏に4度走者を進めたがホームを踏ませなかった。

勝負強さが光った。金沢は昨年の都市対抗、NTT西日本戦でサヨナラ犠飛を放ち、チームの8強入りに貢献。この日もチャンスで打席に立った。体に力が入る場面だったが、「ネクストにいる菅野(赳門)さんが、いつも『力を抜け』と声をかけてくれる。その声のおかげでチャンスでも力が抜けている」と金沢。落ち着いて決めた勝ち越し打には「うれしかったです。最高です」と笑みがこぼれた。2次予選はここまで打率5割5分6厘と好調で、先輩の一声も好調ぶりに一役買っている。

2年連続の本大会出場まであと2勝。金沢は「あと2戦、今日みたいな試合が続くと思うので、最後まで隙を見せないように1球1球全力で頑張りたいです」と気を引き締めた。波に乗る9番打者が、次戦も攻撃に火をつける。【濱本神威】